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2019年は児童虐待・虐待死「取り組み元年」 (後編)児童虐待、DV、社会の闇を照らすのは「聞くで」のつながり

<前編はこちら

 

ゼロ会議が、虐待死を無くすために始めたことは
「一般市民へ」の根っこ運動

 

虐待の背景の多くには、「孤立」が見られます。「孤立」には家庭に閉じこもる孤立だけでなく、社会に出て働いていたとしても、家庭の悩みが言えない相談先がない周りに聞いてくれる人がいない孤立も含まれます。悩みや不安があっても当事者から行政への相談はハードルが高いのが現状です。虐待、DVに当事者が気付いていない場合もあります。

虐待防止、DV防止、悩み相談など行政だけでなく、様々な団体によりケアが用意されているものの、自らアクションできない場合が深刻化しています。届けたい人に情報がなかなか届かない歯がゆさを感じますね。どうしたら良いのでしょうか。

ゼロ会議が出した答えは「周りの人に届けてもらおう」でした。

ママ・パパの「生活導線」の中に相談にのれる、話を聞ける人がいればいいのではないでしょうか。コンビニのアルバイトの方でも、会社の社長でも、タクシーの運転手さんでも、バーのマスターでも、美容師さんでも、親類でも、友人でもその知識があれば、付き添うことができると考えました。

解決できない場合の連絡先も含め、その知識を学ぶ場を「ゼロ会議」として、3ヵ月に1度大阪市内で開催。約2時間の「ゼロ会議」に参加した方は、ゼロ会議メンバーとしてご自身の周りの親に「子育て大変ね。最近どう?」の声かけなど、できることを自身の生活の中で、無理することなく自然体に行います。

その「ちょっとの事」で子どもはみんなの子、「みんなで、いっしょに」子どもの命、虐待から守る事ができるのです。

他者とのつながり、コミュニティ、家庭の中に他者の目が入っていることが育児においても、健全に生活するために必要ではないでしょうか。この希薄な社会でまず、孤立した「親を助けないと」虐待は無くなりません。

 

虐待は他人事?

 

知っている子どもなら泣いていても気にならないのに、知らない子だと煩いと感じ、知っているシンママなら「シンママで一生懸命に頑張っている」なのに、知らないと「シンママの子だから放置で」となります。知識を得ること、関わることで「他人事」ではなく「自分事」になります。

「ゼロ会議」では気軽に声掛けができるようにとロゴ「きくでマーク」も作成し、配布しています。ゼロ会議のメンバーは全員ボランティアで、運営費は講座を受けた人に任意で購入してもらうステッカーと寄付金でまかなう計画です。ゼロ会議の講座を受けた人にはステッカーを職場・店頭などに貼ってもらい、子育てに悩む親が周りに相談しやすい環境作りを進めます。


(画像:きくでマーク)

 

DV、ステップファミリー(再婚家庭)と虐待

 

今までは虐待事件が起こると「どうせ再婚家庭でしょ」という風潮があったように思います。一般ではない家庭で起こるものと認識されていたことが一因かもしれません。

昨年の目黒区の事件の時、事件詳細が明らかになる前からツイッターでは「また母親の連れ子が被害者か」と賑わっていました。物凄い偏見が根付いていると驚いたものの、実際にステップファミリーだったので悲しかったものです。

今回の千葉の事件が実父による虐待だったことは、社会に衝撃を与えました。今までの虐待事件は義父や義母による再婚家庭で発生する事が典型的だと思われていたからです。母親が子どもを連れての再婚の場合、父親とは血の繋がりがないから愛情も湧かず虐待する、母親が母親という立場よりを「女」になってしまい、子どもが犠牲になったなど、よく耳にする読者も多いのではないでしょうか。

DVも虐待も顕在化し、社会的に理解されるようになってきました。続く虐待死事件から、虐待に対する様々な取り組みも盛んになってきています。

千葉県の事件は2019年2月7日の国会でもとりあげられ、安倍首相は、8日に関係閣僚会議を開くと述べました。
喜ばしいことですが、このムーブメントの中に、ステップファミリー(再婚家庭)での虐待が取り上げられていない事が残念です。

ステップファミリーでも、DV夫の虐待でも、自立していない女性の場合、夫婦間に力関係が発生する場合に起こりえるように感じます。DVでも虐待でも家事育児、専業主婦を甘く見る男性との関係で、自分が正しい強いと証明するように暴力をふるうことは同じと言えます。女性が社会と繋がり、経済的に自立していて、親兄弟、友人など頼れる存在がいれば、そんな理不尽に立ち向かう事ができるでしょう。

しかし、そうでないケースでは、子どもを守るのか、自分を守るのか、離婚するのか、どこかに皺寄せが来ます。親に頼るしか生きていけない弱い立場である子どもが被害者になりやすく、心も体も傷つけられ、最悪の場合は命まで奪われています。

DVと虐待が、教育機関や児童相談所、近所にばれてその土地に暮らしていられなくなり、一家で、転居、転職、転校を繰り返すようなケースも見られています。知らない土地で、更に社会との接点を持たない母親、子どもは孤立し、ますます状況は悪化します。

家庭内で、父親が感じているストレス社会の縮図を形成しているように思います。

もちろん、どんな環境にいても虐待は許されるものではありませんが、学歴、結果、拝金主義のストレス社会の皺寄せならば社会の在り方や働き方を見直す時期に来ているのでしょう。

 

「ゼロ会議」はこれから府民で作っていく

 

繰り返します。母親・(父親)が社会とつながることは、家庭内の正常化をもたらします。専業主婦でも、金銭面で自立していなくても、再婚でもつながることは可能なのです。

人と人の距離が遠い冷たい社会では実現しなかった「つながれるよ!」の気持ちが「きくでマーク」なのです。そのウエルカムな姿勢は、人と人との距離が近い大阪から、全国へ広がってほしいと思います。

(画像:ゼロ会議メンバー)

 

ゼロ会議は始まったばかり。全てがこれからで「2021年大阪府の虐待死ゼロ」とするゴール以外は真っ白です。これから意見を出し合い府民メンバーと作っていくと言います。

理想論を机上だけで論じる人は五万といます。「このままの社会ではダメだ」の気持ちで、まずアクションを起こした事。今までどこも、誰も出来なかったこの尊い、大阪らしいプランを応援したいと思います。

 

(画像:左 取材に明るく答えてくださったゼロ会議運営事務局 安木さん 右 島田さん)

 

地域が優しいと生きやすい、子育てしやすい、働きやすい。
虐待を無くすためではなく、「良い社会」の付加価値として虐待をも防げるということを証明しましょう。

問い合わせ先:
ゼロ会議:URL https://www.ikuhaku.com/zero
お問い合わせ先:ゼロ会議運営委員会事務局(一般社団法人日本子育て制度機構内) 06-6282-7815(平日10時~19時)
ゼロ会議facebok ページ:https://www.facebook.com/zerokaigi/

【次回 第二回ゼロ会議予定】
日時:5/23(木)
会場:阿倍野区民センター
時間:14時~
(内容)
第1部ゼロ会議プログラム「子育て世帯の現状・悩みを解決する知識・話の聞き方」
第2部スペシャルトークゼロ会議運営委員会メンバーの親子まるごと応援協会・田中健太氏による「誰もが持ってる『きくで。』の力」
※時間や内容が若干変更になる場合もあります。
申込フォームhttps://www.ikuhaku.com/mains/zeroform/