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シングルマザーの離婚には情報収集が必須 新生活のスタートをサポートするシングルママこども支援会

シングルマザーへの道を選ぶ人のなかには、子どもがまだ幼かったり、ドメスティックバイオレンスを受けていたりと大変な思いをしているケースが多くあります。そんななかで、養育費や親権を得るための煩雑な手続き、新しい仕事や住居の確保などをやらなければなりません。しかし、法律問題をはじめとした離婚に関する情報を得るためには、現在のところ、本人があちこち調べて一つひとつ解決していかなければならないのです。そういったシングルマザーたちの新生活のスタートをサポートするために、2017年4月に一般社団法人シングルママこども支援会が立ち上がりました。運営事務局長の川口夏紀さんに、同支援会の概要、離婚に向かうシングルマザーの実態などを話していただきました。(取材・文・写真/編集部)


【川口 夏紀(かわぐち なつき)さん 一般社団法人シングルママこども支援会 運営事務局長
11歳と2歳の子どもと再婚した夫の4人暮らし。19歳で長男を出産し、22歳で離婚。離婚直後は、保険の外交員として生計を立てる。2014年4月に立ち上がった「ママスクエア」にオープニングスタッフとして携わり、2017年4月から現職。https://mamasquare.co.jp/single/

 

離婚問題に詳しい弁護士が相談にのってくれる法律相談会

 

―シングルママこども支援会はどういった活動をしているのですか。

川口さん 法律相談会をはじめ、さまざまな形でシングルマザーの支援をしています。ホームページ上では、先輩シングルマザーのアドバイスを受けられる相談フォームの運営、仕事の求人案内、住居の紹介などを行っています。

―法律相談会は、具体的にどういった形でどのような相談ができるのでしょうか。

川口さん 法律相談会は公共施設を利用して2ヵ月に1度開催し、1人1時間ずつ無料で相談を受けています。自治体でも無料の法律相談が行われていますが、離婚問題に詳しくない弁護士の場合には、的確なアドバイスを受けられないこともあります。シングルママこども支援会でお願いしている弁護士は離婚問題に詳しく、自らもシングルマザーに育てられた経験を持っています。そのため、シングルマザーの状況や気持ちを理解しながら相談を受けています。

―どういった相談が多いのでしょうか。

川口さん 養育費の取り決めはどうすればいいのか、親権をとるにはどうすればいいのか、あるいは、そもそも離婚するにはどうしたらいいのか、といった相談が多いようです。

―先輩シングルマザーのアドバイスを受けられるという相談フォームは、どういった仕組みになっていますか。

川口さん 支援会のホームページ内に相談フォームがあり、誰でも悩みを気軽に書き込んで相談できます。回答するのは、スタッフ、また支援会に登録してくださっている約30名の先輩シングルマザーです。先輩シングルマザーはあくまでもボランティアで、「私も大変だったから、いま悩んでいる方たちを助けてあげたい」という思いで協力くださっている方がほとんどです。

―そのほかの活動についても教えてください。

川口さん ホームページには、シングルマザーを歓迎する仕事の求人、シングルマザーのシェアハウスを運営している企業の紹介などを掲載しています。また、おカネやライフプラン、保険などに関するさまざまなセミナーも開催しています。こういった活動については、シングルマザーに費用面での負担がかからないよう、企業様からの協賛金で運営しています。そのほか、ブログやラインなどでもシングルマザーに必要な情報を定期的に提供しています。支援会は2017年4月に立ち上がったばかりですので、これから知名度を上げて、活動の幅を広げていきたいと考えています。

 

シングルマザーの離婚にかかわる苦労は想像以上に多い

 

―川口さんご自身は、なぜシングルママこども支援会で仕事をするようになったのですか。

川口さん 私ももともとシングルマザーでした。シングルママこども支援会をプロデュースしている「ママスクエア」(https://mamasquare.co.jp/)で仕事をしていたことがきっかけとなり、支援会の活動をすることになりました。ちなみに、「ママスクエア」はキッズスペースとワーキングスペースが併設され、子どものそばで仕事ができる新しい形の施設です。

―離婚にいたるまで、どのような苦労があったのかを教えていただけますか。

川口さん 離婚の大きな原因はドメスティックバイオレンス(DV)です。DVを受けている人は、周囲にあまり相談できず、自分自身もどんどん追い詰められて、離婚するまでにかなりの時間がかかる場合が多くあります。私の場合は早めに動き出せたのですが、若かったこともあって離婚に関しての情報を得ることなく行動に移してしまいました。その結果、養育費は一切もらっていません。本来は、まず弁護士に相談して、情報を得てから離婚するべきだったと思います。そうすることで、必要なおカネを得ることもできたはずです。

―川口さんのように小さな子どもを抱えて離婚する方も多いと聞きます。主にどういった問題があるのでしょうか。

川口さん まずは、私も経験した親権や養育費を確保する法律の問題が挙げられます。そして、収入、住居の問題。大きな問題となるのがこの3点です。収入、つまり仕事に関しては、収入を確保するためにフルタイムで働こうと思ってもなかなか就職先がみつからない、あるいは子どもを預ける場所がみつからずに仕事を探せないといったことがあります。住居に関しては、シングルマザーというだけでなかなか契約が決まらない、契約が決まっても1年分の家賃を前払いしなければ入居できないという場合もあります。

―DVという言葉が出てきましたが、DVが原因で離婚する方は多いのでしょうか。

川口さん みなさんが思っている以上に多いと思います。シングルマザーの方を見ていると、4割くらいの方がDVの被害を受けているという印象です。

―DVを受けている場合、離婚する際に大変なことも増えるのではないでしょうか。

川口さん 大変なことのひとつが、引っ越しを余儀なくされることです。

―DVをする側から居場所を特定されないようにするためですよね。

川口さん 第三者が住所を閲覧できないようにするための支援措置があるのですが、こういった手続きの方法が自治体ごとに違うことに私自身も戸惑いました。たとえば、東京都であればストーカー被害の被害届を提出した旨の書類を警察からもらって、区役所に持っていくことで措置を受けられます。埼玉県の場合は警察は関係なく、市役所などで手続きをします。しかし、この措置は毎年更新が必要のため、その都度、措置を受けなければならない理由を窓口で話さなければなりません。そのたびに、また嫌な記憶がよみがえってくるんです。この措置だけでなく、離婚にいたるまで、あるいは保育園に入園するための手続きなど、自治体によって違うことが多くあります。

―そういった情報の入手もなかなか難しいことが問題となるわけですね。

川口さん やはり、世間体を気にしてしまうこともあるでしょうし、シングルマザーたちが集まる場所があるわけでもありませんから、誰かに相談する機会も少ないんです。さらに、一括した情報を得る場もありません。だから、いろいろな情報をまとめてシングルマザーを支援していきたいという思いで、シングルママこども支援会を立ち上げたのです。

 

自分の足で調べて情報を得る努力を

 

―お子さんを持つお母さんが、離婚しようと思ったとき、あるいは離婚した後、一番に何をしなければならないのでしょうか。

川口さん やはり、自分の足で調べて、情報を得ることです。情報は調べれば出てきますが、調べなければ出てきません。離婚のロードマップのようなものを用意している自治体もありますが、そこにのっていない情報があるときもあります。

―今後、シングルママこども支援会で計画している活動はありますか。

川口さん 「ママスクエア」を拠点として、お茶会やバーベキュー大会など、お母さんのストレスを発散でき、お子さんと楽しく過ごせるようなイベントを開催したいと思っています。将来は、奨学金制度の立ち上げ、さきほども申し上げた離婚のロードマップの作成などを実現したいと考えています。

―最後に、シングルマザー、あるいはシングルマザーになろうとしている方々にアドバイスをお願いします。

川口さん 
離婚を考えている方は、まず弁護士に相談することが大切です。弁護士であれば、離婚に関する情報を多く持っています。そして、シングルママこども支援会はシングルマザーの味方です。ストレスをためていたりさみしい思いをしていたりすると、それが子どもに影響を及ぼしてしまいます。なにか困ったことがあったときには、ぜひシングルママこども支援会にお問い合わせください。