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一人で荒波の中をくぐり抜けるシングルマザー “カモ”にされない知識を身につけてほしい

シングルマザーとして生きるうえで育児、仕事、住居は優先順位を決めることが難しく、どれもが複雑に絡み合っている。生活の基盤なのに、選択すらできない現実がある。女性のための住まいのコンサルティングを行うオフィスVER(ウェール)代表 春田氏は女性、シングルマザー、これから離婚を考えるプレシングルマザーに向けた様々なジャンルのセミナー講師や相談役として活動されている。自らがシングルマザーとして、20年間不動産業界に従事してきた春田氏が、いま何を思い、願って講師をするのか伺った。(取材・文 浦邊真理子)

―自治体を中心に住宅に関するセミナー講師をされていますが、活動のきっかけを教えてください。

春田さん 私は子どもが4歳の時に離婚し、シングルマザーとして不動産業界で働いてきました。子どもが成人し、さてここから何ができるかと将来を考えたときに、私も周りの人の助けがあって、ここまで来られた。子どもにも相談し、少しでもお返しをしたいねと「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」に電話をしてボランティアを申し出たことがきっかけです。

―どんなボランティアをされたのですか?

春田さん 最初はボランティア活動としてイベントの手伝いなどをしておりました。シングルマザーの方が集まる座談会などにも初めて出席しました。シングルマザーでありながら、仕事と育児で精一杯で、シングルマザーの方との出会いや交流がなかったのです。

当時の私は自分の離婚の時の経験しかなく、元夫との離婚についての話し合いの時も不動産の知識があったことで住まいにも困らなかったのですが、ボランティアをする中で、信じられない様な体験をし、酷い環境の中で頑張っているシングルマザーの話を聞きショックを受けました。様々な困難を抱えているシングルマザーの現状を知り、私が今まで不動産業界で働いてきた経験から住宅問題で相談を受け、アドバイスすることなら出来るとセミナーを始めました。

―どの様な相談が多いのでしょうか。

春田さん 正社員でなくても、これから仕事を探すという状況でも家を借りることができるかという問題、持ち家が別れる夫と共同名義だった場合、この賃貸物件を借りても良いか、購入をすべきか問題は多岐にわたり、年代、環境様々です。

行政主催のケースではアンケートなどで必要なセミナーを考えて開催されるので、テーマに沿ってお話をする機会も多いですね。

 

ハイエナの中を生きる武器を
騙されない知識を身につけてほしい

 

―シングルマザーだからこそ家を購入したほうが良いと、他では売れない様な物件を「年収が低くてもローンが通ります」と宣伝し、売却する「貧困ビジネス」と言われる様な心ないビジネスも跋扈しています。

春田さん 不動産業者をはじめ、一般企業などでも「シングルマザーだからこれくらい」と見下した様な物件を勧め、儲けだけを考えている様なケースも多々あります。身を守る知識をつけてほしいと思っています。

―知識というのは?

春田さん 不動産業界で働く人にとっては当たり前のことも、一般の方には全く知らないことも多いのが現状です。「おとり物件」が当たり前の業界を知らない。仲介手数料って何?家を借りるのに家賃以外に何故そんな大金が必要なの?SUMOなどの不動産情報サイトは不動産屋さんではないの?この不動産屋さんは信用していいの?どこを見て判断したらいいの?

シングルマザーは頼れる人がいないケースがほとんどです。世帯主の役目も背負い、男性相手に一人で身を守らなくてはならない。その為には不動産の知識があるのとないのとでは全然違います。

―先日、北海道の爆発事故でも賃貸契約時に「部屋の消毒費用」として数万円を徴収されていたが、実際は千円のスプレーを噴射しているだけ、そのうえ、そのスプレーさえもされていなかったことが露呈しました。

春田さん 不動産の知識があるだけで、その無駄な出費は抑えられるし、騙される可能性は減ります。

 

「私の居場所」=「住まい」を見つけ、生活の基盤を作ってほしい、その為にまず相談してほしい。

 

―セミナーを受ける以外に、知識を身につける方法はありますか。

春田さん セミナー後の質問・相談タイムでは気軽に質問が飛び交うのですが、なかなか個別相談というのはハードルが高いようで、「無料相談をしたら、買わされるのではないか」「騙されないか」と賢い女性は思ってしまうようですね。

普通、不動産会社の営業担当者は、条件を聞き、売らなければならない物件の中から条件に合った物件を勧めてきます。知らないうちに勧められた物件の中で、自分の条件を修正して物件を決定したり、修正できなければ断ったりしています。「勧められた物件」から選んでいるだけなのです。断っても、また次に用意された物件を選ぶという構図になっています。

そうではなくて、私は物件だけを紹介するのではなく、話を聞いてその悩みを解消したいと思います。部屋を借りることが必要ない人は借りなくても良い、購入したほうが良い人には、買った後にもし環境が変わっても後悔しない物件を一から探します。

相談することは買うこと、借りることではなく、自分と子どもにとって今のベストの住まいがどのようなものであるかを一緒に考えることだと知ってほしいと思います。

―今後のヴィジョンを聞かせてください。

春田さん シングルマザー、プレシングルマザー、ひとり親の方の悩みは複雑に絡み合っています。住まいの問題だけを問題解決したら大丈夫なのではない。仕事、子供、育児、体調、精神状態、両親、義両親のこと、資産、借金…どれが欠けても生活をして行くことができない程の重要な問題ばかりです。そんな大きなことを一人で背負っている。

現状は一箇所に相談しても解決はできません。仕事の専門は〇〇、家は△△へ、子供のことは■、資産は…とバラバラで結局時間も労力もなく放置されている。

支援の窓口が一つずつバラバラでは小さくしか解決できません。絶対安心できる「ステーション」的な存在が必要ではないかと思っています。シングルマザーがその「ステーション」に相談をすれば、そこから本当に信頼して、営利目的でない相談員や個々の専門窓口につながり連携して解決して行く、総合案内所の様なものを作っていきたいと思っています。

―素晴らしいですね。

春田さん 抱える問題は一つとして同じことはありません。そんな簡単に仕分けられる問題ではありません。ひとりひとりオーダーメイドの対応が必要なのです。

 

 

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オフィスVER(ウェール) https://ver.osaka.jp/about
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 Profile

オフィスVER(ウェール)代表春田美砂子さん

岡山県出身。大阪教育大学卒業後、大手不動産会社・マンション販売会社に20年以上勤務。女性向けの住宅セミナー「ウェールセミナー」を開催するほか、地元である枚方市男女参画センター主催の住宅セミナーをはじめ、各自治体の住宅セミナーなどの講師を務める。現在、シングルマザーとして娘を育てた経験を生かし、シングルマザーを支援するNPO「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」にて、メンバーとしても活動中。