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シングルマザーを勇気づけるNPO法人 「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」で生き生きとした毎日へ

多様な生き方が受け入れられるようになり、家族の形もさまざまに変化してきました。育児と仕事をうまく両立する女性も増えているようです。しかし、それは夫や両親など周囲の手助けがあってこそ実現できることと。一方で、シングルマザーが育児と仕事の両立させることは非常に困難です。なかには貧困に苦しむ方も少なくありません。NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむは、そんなシングルマザーの支援を行っています。理事長の赤石千衣子さんに、シングルマザーの現状やしんぐるまざあず・ふぉーらむの事業内容について伺いしました。(聞き手/シンママStyle編集部 文/財部 寛子)

 

児童扶養手当必須の厳しいひとり親家庭

 

―しんぐるまざあず・ふぉーらむは、いつからどのような活動を行っているのですか。

赤石さん 1980年に当事者団体として発足してから政策提言活動などを行ってきました。しかし、シングルマザーが生きやすくするためには、ママたちの自助活動や交流活動も必要です。そこで、1993年にしんぐるまざあず・ふぉーらむという名称に変更、2002年にNPO法人となりました。シングルマザーを勇気づけ、社会で活躍できる支援を行っています。

―赤石さんご自身がしんぐるまざあず・ふぉーらむで活動するようになった経緯を教えてください。

赤石さん 私は1981年に未婚でシングルマザーになりました。子どもが小さいころは共同保育所で育児をしながら保育士の仕事もしていましたが、それほど収入は高くありませんでした。そのため、児童扶養手当をもらいながら育児をしていました。しかし、子どもが3~4歳のころに児童扶養手当の切り下げがあったんです。そのとき、シングルマザーのグループに出合い、さまざまな活動に参加するようになりました。それが、現在のしんぐるまざあず・ふぉーらむというわけです。

―具体的にはどのような内容だったのでしょうか。

赤石さん 所得制限の切り下げ、所得額に応じて手当額を二段階制にする、支給期間を有期化する、未婚の母子を支給対象外にする、といった「改悪」でした。その後、さまざまな改定や改善はありましたが、現在でもひとり親家庭に対して十分な施策が取れているとはいえません。

 

シングルマザーが抱えるおカネ、時間、社会的孤立という問題

 

―現在のシングルマザーたちが抱える大きな問題点はどのようなことでしょうか。

赤石さん いい母親になりたいと思っているのですがお子さんたちに十分なことがしてあげられない、おカネがない、時間がない、子育てと仕事の両立が難しい、社会的に孤立しているという問題でしょう。

―おカネと仕事と時間は直結する問題だと思いますが、シングルマザーの就労についてはどのような状況なのでしょうか。

赤石さん シングルマザーの約8割は就労しています。しかし、正社員ではなく、パートとして仕事をしながら児童扶養手当を受給して生活をしているという方が半数です。

―シングルマザーを正社員として受け入れることについて、企業はどのように考えているのでしょうか。

赤石さん 人手不足になってきていますから、モチベーションが高く、スキルのあるひとり親を積極的に雇いたいという企業の声は増えてきました。しかし、決して多いとはいえません。また、シングルマザーの多くが正社員を希望しているとはいえ、今すぐ正社員になりたいかと聞くと半数程度がためらうのです。

―それはなぜですか。

赤石さん 資格やスキルを持っていない、残業時や日曜日の勤務で子どもを預かってくれることがなく、ご親族の援助がなければ、仕事と子育ての両立ができないことは大きいです。健康状態に問題がある場合もあります。たとえば、ドメスティック・バイオレンスでトラウマを抱えているといった例です。

―社会的孤立といった問題についても教えてください。

赤石さん 社会的孤立は大きな問題になっています。数は増えていても同じ立場の人と出会ったことがない、という方は多い。また困ったことがあって、区役所や市役所に相談に行くことをためらう方もいます。

―なぜ、相談に行くことをためらうのでしょうか。

赤石さん 一概には申し上げられませんが、たとえば児童扶養手当の申請手続きをするときに、職員にプライベートのこと、いろいろと聞かれて嫌な思いをすることがあるんですね。たとえば、「つき合っている男性はいますか」「妊娠はしていませんか」など。所得が少なければ、「もう少し仕事はできませんか」といったことも言われると思います。とても嫌な思いをして、役所に相談に行くことをやめて孤立してしまうこともありますね。また、別居中などの困難は、なかなか役所の提供する社会資源では解決しないこともあります。

 

シングルマザーをサポートする幅広い支援事業

 

―そういった問題を解決するためにも、しんぐるまざあず・ふぉーらむがさまざまな活動やサポートをしているということですね。

赤石さん 私たちはシングルマザーが、自己肯定感を上げたり、スキルを身につけたり、活用できる社会的資源を把握したり、こういったことができるようアドバイスやサポートをしています。

―具体的な事業内容を教えてください。

赤石さん 就労支援事業、相談事業、セミナー・講演会の開催、出版・情報発信、子育て支援、メディア掲載・政策提言活動などを行っています。

―就労支援事業とはどのようなことを行っているのですか。

赤石さん 2016年度から「未来の扉」がスタートしました。これは、世界最大手の化粧品会社ロレアルグループの日本法人「日本ロレアル」と提携したシングルマザーキャリア支援プログラムです。5ヵ月間のプログラムを受けた後に、日本ロレアルの美容部員、人材派遣会社アデコのプロジェクトリーダー、あるいは派遣社員でオフィスワーカーなどになるための面接のチャンスを提供しています。受講生はなかまと出会い、とても楽しそうにプログラムを受講され、生き生きと元気になられます。

―就労支援については、多くのシングルマザーの方が興味を持っていると思います。次回、キャリア支援プログラム「未来の扉」について、またしんぐるまざあず・ふぉーらむのほかの活動について詳しくお聞きしたいと思います。

→→次回は、しんぐるまざあず・ふぉーらむの就労支援事業をはじめとした事業内容について詳しくお送りします。

 Profile

赤石 千衣子さん
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長

1955年東京生まれ。1981年に結婚せずにシングルマザーになった後、シングルマザーのグループに参加。現在社会保障審議会児童部会ひとり親家庭の支援の在り方に関する専門委員会参加人。松戸市子供の未来応援会議委員。著書に、『ひとり親家庭』(岩波新書刊)、『母子家庭にカンパイ!』『シングルマザーにカンパイ!』『シングルマザーのあなたに』(現代書館刊)などがある。

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