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シングルマザーへの応援情報を1箇所に集めたプラットフォーム「ハートフルバンク」とは

シングルファミリー応援サイト ハートフルバンクをご存知だろうか。シングルになって困ったらまずここを訪れてほしい。シングルマザーが運営するだけあって、全ての必要情報に対応しているだけでなく、私たちの想像力を凌駕するLINEでの相談、自宅に食品などいろいろ詰まったプレゼントボックスが届くサプライズBOX、全国を回る地域で楽しむお祭り「ぼっちぼっちフェス」など、他に類を見ないワクワクする支援を行い、輪を広げている。
理事を務める西田真弓氏に前編はハートフルファミリーについて、後編ではシングルマザーとして男の子を育て上げた母親の視点からお話を伺った。(取材・文 浦邊真理子)

インターネットサイトならではの「つながっている安心感」で、心のより所とリアルな喜びとワクワク感、安心感がある本当に助けられる「生きる支援サイト」ハートフルバンク

―自己紹介をお願いします。

西田さん シングルマザー歴15年目、息子が今年21歳になります。大きな経済的負担を背負った状態で離婚をしました。当時は、背負った金額が大きかったので、9時~17時で働くというチョイスはできず、自分で起業しつつ早朝のお仕事と夜のお仕事と全部で4つぐらいを掛け持って、仕事に明け暮れる毎日でした。

―お子さんはお1人ですか。働きづくめで、育児はご実家に頼っておられたのですか。

西田さん 1人です。学童や近所の方にも助けてもらいながら、母を呼び昼夜関係なく働くことを選択しました。自分しか子供のことを守ることはできないし、子供も可愛いし心配だし一緒にいたい。でも経済も自分の肩にのしかかっている。選択する余地がありませんでした。

―養育費などはどうでしたか?

西田さん 養育費はなかったですね(笑)。今は全部笑いネタですけど、当時は時間もお金も足りない。おかげさまで、すごく強くなりましたが、夫婦がどんな理由で離婚しようが親としての責任を果たすためにしっかりと話し合わなければならなかった、大事なことだったと痛感しました。それをしなかったことは教訓になりました。

世の中を切り開いていく力はその時についたと思うので、あの試練は肥やしになったと思いますが、経験して、時間とお金のバランスがすごく大事で、シングルマザーに一番必要なものだとわかりました。お金も絶対に必要。でもお金だけを求めて動くと、子供と一緒にいる時間が短くなる。子供といる時間を選ぶと、お金が足りない。時間とお金のバランスというのは、人生においてすごく重要で大切だということを痛感しました。

私は子供との時間をなかなか過ごせず、仕事しか選択肢がなかったのですが、その分子供とのつき合い方というのは編み出していったように思います。休日や1日の中で過ごす一瞬は息子のインパクトに残るよう凝縮した過ごし方をしました。

起業してシングルマザーへの仕事を斡旋
ハートフルファミリーの礎に

―ハートフルファミリーの活動のきっかけは?

西田さん 最初はウェブコンテンツの会社を起業して、在宅のお仕事を斡旋をしていました。私はコミュニケーションを取ることが得意だったので、営業職が向いていたし、外に出て働いたけれど、子供といれなくて辛かった。でもングルマザーとしては、家にいて仕事ができたら、絶対に最高だと思ったんです。

―スタッフの方は皆さん女性ですか。

西田さん 全員シングルマザーで始めたんです。お仕事は外注として取引先を増やし、連携して進めていましたが、どうせお金を払うならシングルマザーに払いたいと思ったのがきっかけで、「こういうことができる人で、シングルマザー限定」と募集したんです。そうしたら、能力の高いシングルマザーがたくさん集まってくれました。
そこでシンママノマド部という在宅ワークチームを作りました。(http://m-s-company.net/shinglemama/

―そこから現在の、ハートフルファミリーにつながっていったのですね。

西田さん そうなんです。紹介でシングルマザーの相談をよく受けていました。話を聞くことや私の経験を話すことで、一瞬だけでも元気にしてあげることはできました。でも、悩みを聞いてあげるだけで全く解決していない。今は一瞬元気になったけど、帰ったらまた悩む。これを何とかできないかなと考えました。原因は相談の9割方がお金の悩みだったのです。シングルマザーの悩みの9割はお金の問題で、残りの1割はどうにもならないことでした。例えば、死別してしまい気持ちが整理できないとか。でも、いわゆる離婚というパターンで考えると、9割方の悩みというのは、子供の問題、住まいの問題、仕事、気持ちの問題まで、お金があれば解決する可能性が非常に高いのです。

ということは、その相談してくれた人が相談したことによって、「そっか、私も稼がなきゃ」思い、私からもこういう仕事もあるよという風に、最終的な自立に向かってたどり着ける仕事を何か1つでも提供できるのならば、このまま相談を受け続けている意味もあると思えたのです。

―悩みを根本から解決できるということですね。

西田さん しかし、その頃の私の会社は、ウェブ関連の仕事でしたので、技術があればお仕事を渡すことはできますが全員には無理でした。相談者のほとんどの方が専業主婦だったり、社会経験がなかったりでなかなか難しい。もしも私にもっと力があれば雇うこともできたかもしれませんが、これは根深いことだし、私には難しいと感じていました。

自分の周りにも、一緒に仕事をするシングルマザー仲間がいて、彼女たちの悩みは大体みんな同じ悩み。千差万別はあるけれど、ほぼお金に関することでした。カテゴリー的に分かれていて、ある程度の種類しかない。本当はこうだったらいいのにという構想が、相談を受け続けていく中で生まれてきていました。

何か自分にもできることを解決したい、でも解決するための必要な情報が世の中にはそろっていない、お金もかかると難題に直面していました。そして、今のハートフルを立ち上がるきっかけとなる、1つの会社に出会いました。その会社には、誰にでもできる仕事や教育システムがあったのです。

―なるほど。まずは、最終ゴールであるお仕事の部分が解決したので活動がスタートできたのですね。今のハートフルバンクのサイトを見ると、お仕事というより、悩んだらここに頼ってよい、支援してもらえるというカラーが強いと思いますが…。

西田さん はい。支援が8割です。悩んで支援を受けて、心身共に元気になって、その人が最終的に仕事にたどり着けて、経済的に自立できる。そしてシングルでも働ける社会にしていくことが、ハートフルファミリーの目的なのです。

―ハートフルで用意している、誰でもできるような仕事には、いろいろな種類のお仕事があるのですか。

西田さん どんどん広げているところなのですが、特殊な能力がある人も、そうじゃない人も、学べて仕事を持つことができたりと、シングルマザーを応援してくれる企業さんと受け皿を作っていく準備を並行して行っています。

そして、相談者が仕事への準備ができていなくても、何か糸口になるかもしれないと、今のハートフルバングにある幅広いたくさんの応援ツールを並べてあげることが必要だと思ったのです。

自宅にプレゼントが届く喜び、開けるワクワク感 自宅に届くサプライズボックス

―初めのサプライズボックスは、どう用意されたのですか。

西田さん サプライズボックスは「おてらおやつクラブ」との握手(※ハートフルバンクの活動に理解を示し、協働する意志を表すこと)によって物資をいただいて、それを送るようになりました。

1個人にランダムに届けるということをしました。ハートフルの特徴として、地域に密着していくことは大事だけれども、インターネットがこれだけ便利になった世の中なので、場所に関係なくつながりを持てるようにして、心のよりどころになるということが目的なのです。

それをきっかけに「何かあったら、ここに相談しよう」となると思うのです。そのきっかけづくりとして、ものを送るサプライズボックスということを始めたのです。

―見えなくても、会えなくても。遠くで応援してくれる頼れる人がいるという安心感ですね。

西田さん インターネットでの「つながっている安心感」というのは、今の若いママさんたちには分かると思います。それに、玄関に荷物が届く、プレゼントが届くということがシングルファミリーではなかなか少ないと思うのです。宅急便が来るとみんな嬉しいと思いませんか。「何が入っているんだろう」と開ける、あのちょっとワクワクする楽しい感じをプレゼントしたくて。親子で箱を開ける時間を共有して、出てきたものを見ながらしゃべるという、そういった時間を届けたいとずっと思っていました。

―ハートフルファミリーの現在の活動として、今はどんなことをメインにされているのですか。応援サイトということですか。

西田さん そうですね。応援情報を1箇所に集めてプラットフォームにして「1人になったらどうしたらいいの」「離婚してどうしよう」と不安がいっぱいな人が、ここに来たら全部分かるという場所を作っていこうと。まず、インターネットベースで作り、それを各地域とリアルにつなげていく、そして地域創生に落としていくということが、ハートフルの応援活動です。

―LINEでも相談できるというのが、とてもびっくりしたのですが、これは誰がどのように相談を受けるのですか。

西田さん 相談したい人もやはり電話で相談するのは、結構ハードルが高いんですよね。相談に行くのはもっと難しいです。でも「チャットだったらちょっと相談してみようかな」となるのではないかと。誰かに頼る、話すことは必要です。そのきっかけ作りになったらいいかなと。ホットラインに相談が多いのは、夜になり、ちょっとつらくなったとき、時間ができたときで、大体がメンタル面でかなり病んでいる状態です。

―結構たくさん相談が来ますか。

西田さん 来ます。すぐにレスポンスできないときもありますが「必ず返すので、書き込んでください」としています。でも、ちょっとこれは緊急だなと思うときは、すぐ対応しています。

―どのような相談が一番多いですか。

西田さん 「どうしていいか分からない」「何か何だかよく分からなくて、もうぐちゃぐちゃ」「どんな相談でもいいですか」「相談にお金はかかりますか」という相談から来ますね。心の声が、もうひしひしと伝わってきて、すごく手に取るように分かるんです。やはりそれは、私が経験してきているからこそ分かることなので。

15年前の私の悩みも、今のシングルマザーの悩みも結局は変わっていない。なぜ変わらないのかと、どうしたらいいのだろうと常に考えています。お金の悩みを解決するためにも、どうならなきゃいけないのか。その人の気持ちやモチベーション、思考回路を何とかしないと、仕事を差し出しても駄目、できないのです。

「私、頑張らなきゃ」という、強く生きる覚悟を応援するのがハートフルのサブタイトルなのです。まず、覚悟を決めてほしい。

―無料で支援してもらって、プレゼントをもらって、安く商品を買わせてもらって(サービス名)でも、いただくだけだと無理じゃないですか。やはり頼ってしまうし、甘えてしまう。うれしい気持ちも必要だと思うのですが、その後、どう気持ちを前向きにしていくのですか。

西田さん サプライズボックスをもらうと、自然とそうなってくるんです。物資が届き応援されることを知ることで、サプライズボックス効果が出てくるのです。いつまでもくよくよ悩んでちゃいけないんだというメッセージを返してくれるんです。
何もボックスには書いていないんですよ。「私達は応援しているから。あなたと子供のために頑張って」というお手紙を入れて送っているだけなのに、もらった人は驚きとうれしさと、応援されているということに感謝して、顔の見えない誰かがこんなに応援してくれているということに「いつか私も応援する側になりたい。だから頑張ろうと思いました」と言ってくれます。

それでも行ったり来たりだと思います。でも、ものを与え続けるだけじゃ駄目なのかといったら実はそうでもなく、次に行こうと絶対的に背中を押している形というのは、与えることだと思うのです。

―親の気持ちみたいですね。

西田さん そうですね。子育てと一緒ですよね。どんなに強い人だって苦しいときはあります。そのときに、何故頑張れるのかというと、やはり支えてくれる人、理解してくれる誰かがいるということ。

そういうのがあるとないとじゃ違いますよね。そういう環境を与えることで、ちょっと厳しいことでも聞けるようになるのです。「そういうことだと、駄目ですよね」という話をしなくちゃいけないときがきても、ちゃんと聞き入れられると思うのです。

(後編に続く)

 Profile

西田真弓さん
一般社団法人ハートフルファミリー 理事
自身の経験をもとに、ひとり親家庭の親子が毎日笑顔で過ごせる社会を目指し、支援の輪を広めるべく日々パワフルに活躍中。
お問い合わせ先・ハートフルバンク  http://single.hartfullbank.com/

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