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捨てられてしまう食品を、必要とする人へ届ける。 二つの社会問題を同時に解消する《グッドごはん》

シンママStyle編集部

画像: かご一杯の配付食材の中にお気に入りを見つけて笑顔の子ども 提供:グッドネイバーズ・ジャパン

我が国の「子どもの貧困」が注目されるようになって久しい。子ども食堂など支援も全国的に広がってきている。子どもの貧困割合が圧倒的に高いひとり親家庭では、2人に1人にあたる50.8%(平成28年度 厚生労働省 国民生活基礎調査より)が貧困といわれている。

そんなひとり親家庭を対象に、新たな支援の取り組みが始まっている。東京都大田区を基盤に、食品の無料配布を行っている認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンの鈴木さんに話しをうかがった。(取材・文/浦邊真理子)

家庭を対象に、新たな支援の取り組みが始まっている。東京都大田区を基盤に、食品の無料配布を行っている認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンの鈴木さんに話しをうかがった。(取材・文/浦邊真理子)

無料でひとり親家庭に食品を届ける取り組み「グッドごはん」

―シンママStyleでは以前に、ひとり親家庭が受けられる「食」支援としてサービスを紹介させていただきました(記事はこちらhttps://shinmama.jp/saving/5838/)。「グッドごはん」について詳しく教えてください。

鈴木さん:私たちグッドネーバーズ・ジャパンは2004年より国外の貧困や差別、教育の問題に取り組んできましたが、2017年9月より新たに国内の子どもの貧困対策への取り組みを開始しました。「グッドごはん」はひとり親家庭を対象としたフードバンク事業です。

―なぜひとり親家庭を対象とされたのでしょうか。

鈴木さん:現在、日本の子どもの7人に1人 が相対的貧困といわれています。そのなかでも、ひとり親家庭はより深刻で、国内のひとり親世帯の子どもの2人に1人にあたる50.8% が貧困状態にあり、支援が必要とされています。子どもの貧困は家庭の貧困でもあります。まず貧困率が高いひとり親家庭から支援を進めていくことが、子どもの貧困問題解決に繋がると思いスタートしました。

―支援はどのようなかたちで行われているのですか。

鈴木さん:現在は東京都の大田区大森にある当団体事務所にて、マル親医療証(※マル親医療証:ひとり親家庭等医療費受給者証18歳以下の子どもを持つひとり親家庭の親または保護者で、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていない家庭が支給対象)を持つ、周辺地域在住登録者に月に一度無料で食品を配付しています。配付世帯は各月最大165世帯になり、食材は全て寄付提供を受けております。

画像:食品は事務所に自ら取りにくる形式 提供:グッドネーバーズ・ジャパン

子どもへの食事の提供とは違うかたちの支援。いろいろなかたちの支援が必要。

―子ども食堂との違いはなんでしょうか。

鈴木さん:子どもやひとり親家庭への食の支援は、一つのかたちでは行き届きません。土日や夜間勤務、Wワーク等で忙しいシングルマザー、小さな子どもを抱えて働くシングルマザー、子どもが育った後のシングルマザー、いろいろな立場の方がいるので支援もいろいろなかたちが必要です。

子ども食堂が必要としている食材と異なるものが、私たちのような家庭への配付事業では喜ばれるケースも多いので、必要な食品を必要な人に効率的に届けられるというメリットもあります。

―どのようなものが配布されるのですか。

鈴木さん:配付内容は主に、お米や麺類、シリアルなどの主食類、乾物やレトルト食品などの副菜類、調味料、飲料、お菓子などですが、配付する食品は全て、個人や企業、団体からの寄付によるものなので、毎回内容は変わります。冷蔵品の提供がある場合もあります。 1回当たり1世帯に約1万6000円相当を配付しています。

画像:食品管理や配付作業 は、ボランティアの協力を得て行っている。
提供:グッドネイバーズ・ジャパン

住居費が家計を圧迫、半数以上が3万円以下で食費をやりくりしている現実

―「グッドごはん」はどのような方が利用しているのでしょう。

鈴木さん:利用登録者は530名を越えました。今までに延べ3,242世帯・5,137人の子どもに食品を配付しています(2019年12月末現在)。利用者を対象にアンケートを実施したところ(調査期間2019年9月13日~10月10日 調査対象 グッドご飯利用者472名有効票数183件)、離婚によるひとり親家庭の割合が84%でした。他に、未婚・非婚(9%)、死別(5%)となっています。利用者の年代は40代前半が31.8%ともっとも多く、40代 後半(18.4%)、50代前半(16.8%)、30代後半 (15.8%)と続きます。

回答者のうち90%が就労していますが、そのうち約6割は非正規雇用でした。また労働時間については、半数以上が平日昼間以外の時間(早朝、夜間、土日祝日など)に働いていることが分かりました。2人以上を養育している方が約半数、養育する子どもの年齢でもっとも多いのが小中学生で65%でした。

収入面では半数近くが年収200万円未満。3人以上の子どもを300万円以下で養う方も多数おり、シングルマザーの現状がよく分かります。

―就労し、早朝や深夜まで働いても低収入なことがよく分かります。その収入から住居費や食費などを捻出するのは大変困難ですね。

鈴木さん:都心部ではとくに住居費が高く、生活を圧迫していることがアンケートからも分かりました。以下は1カ月にかかる家族の食費、住居費の割合の結果です。

提供:グッドネイバーズ・ジャパン

半数以上が3万円以下で食費をやりくりしていることが分かります。

生きるために不可欠な「食」の支援で、親子の心身に変化

―グッドごはんの効果や手ごたえを感じていますか?

鈴木さん:たくさんの嬉しいコメントをいただいています。食費の負担が減った、買ってあげられないものを与えることができたなど。実際の金銭的負担が減ったというだけでなく、子どもの笑顔が増えた、気持ちが前向きになった、気持ちに余裕ができたという心理面や体調がよくなったという体調面での変化へのコメントを一番いただきます。

子どもへの影響だけでなく、シングルマザーであるお母さんへの影響も大きく感じます。自分のご飯が食べられるようになった、レギュラーコーヒーを頂けて気持ちが豊かになったというような声もありました。最低限の生活ができていない現状が垣間見れますね。

画像:家庭の食生活や食事内容に良い影響があったと答えた方は83%にのぼる 提供:グッドネイバーズ・ジャパン

大阪への進出、そして食材の提供を通して、届かない支援を届けていきたい

―今後の活動予定を教えてください。

鈴木さん:大田区での支援は今後も継続的に続けながら、大阪市でも支援の準備を進めています。将来的には他府県にも広げていきたいと考えています。

また、「グッドごはん」は「手渡し」の支援であるがゆえに、利用者とコミュニケーションを取ることができます。そこでお話ししたり、悩みを聞いたりして、食以外の支援にもつなげていけるのではないかと考えています。

私たちの活動はボランティアや寄付、お互いに助け合うかたちで成立しています。支援を受けられているシングルマザーのなかで、少し余裕ができたら今度はボランティアとして手伝いたいと言ってくれている方もいます。

関心をもっていただくことがスタートだと思いますので、是非ホームページやSNSなどをご覧いただければと思います。

【お問い合わせ先】

認定NPO法人 グッドネーバーズ・ジャパン

電話:0120-6423-1768

MAIL:admin@gnjp.org

HP: https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/

Facebook: https://www.facebook.com/gnjapan

Twitter: https://twitter.com/GNJapan

【お話しを伺ったのは…】

認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン
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