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企業主導型シンママ支援 ママ幸プロジェクトを追う

シングルマザーの仕事、住まい、育児全てをセットにし、出産を諦める未婚ママや、離婚を決意したプレシングルマザー、そして、生活に悩むシングルマザーを包括的に企業として支援する仕組みスタートした、兵庫県宝塚市を中心に自立支援介護を行う株式会社ポラリス(以後ポラリス)。

シンママstyleでも特集した過去の紹介記事はこちら

代表のインタビューはこちら

前回の取材では、プロジェクト発足から概要、受け入れる準備の整った“箱”の詳細までをお伝えしたが、今回は稼働して半年経った“ママ幸プロジェクト”を追ってみた。(取材・文/浦邊真理子)

『育・職・住』全てが揃った、企業型シンママ支援プロジェクト始動からの半年

2019年4月1日より一階に企業主導型保育園とデイサービス施設、二階にポラリス本社、厨房、社員食堂、三階にシングルマザーの為の住まい「ママ幸ハウス」を完備したポラリスの新社屋が、まっさらな状態でスタートした。何もかもゼロ、未経験からのスタート。入居者全員でママ幸ハウスを作り上げていこうと、ルールもない状態から手探りで過ごし半年がたち、現在6組の母子が暮らしている。

暮らしを見てみよう。このママ幸ハウスは「社員寮」にあたる。家賃3万円ということは当初から決まっていた。その後半年間で決まったことがある。水道光熱費(通信費含)は一律1万円となった。給与は介護職未経験の初任給で約19万5千円。税金や保険料が3万5千円ほど引かれ、そこから家賃光熱費4万円を天引きした額が支給される。

また昼食、夕食ともに社員食堂も利用でき、利用分に応じて天引きされる。夕食は、希望者のみ二階の食堂で調理師さんが作ってくれる栄養バランスが良い食事を、大人一食380円で食べることができる。仕事をした後に買い物に行き、調理する大変さを考えるととても有難いシステムである。

他にも前回ご紹介した引越費用立替金制度(上限20万円まで)だけではなく、新たに「生活費立替金制度」として、入居から初任給までの間の生活費を借りられるよう検討中である。所持金が無い、着の身着のままで荷物も無いなど、どんな環境からでもここに来れば親子とも助かる場を作りたいという強い思いがある。

(画像:シェアハウスの共同キッチン 必要な設備が全て整っている。各居室にも風呂トイレ洗面、ミニキッチンを備える。)

正社員は保育費無料 職場、シェハウスから徒歩0分の保育園

(画像:企業型保育園には珍しい広い園庭で砂遊びに夢中の園児たち)

広々とした園庭、そして園庭を臨む2部屋も明るく広々としている。企業主導型保育園なので、ポラリスの従業員であるシェアハウスに住む親子の利用、一般社員の子ども、そして地域の子どもが利用しており、現在園児12名(2019年11月より19名に増員)が過ごすゆとりのある空間にて、目が行き届いた保育が行われている。

(画像;光が降り注ぐいろのま園)

保育室には、手作りの工夫を凝らしたおもちゃが並び、整理整頓された気持ちのよい空間が広がっていた。型にはめるような一斉保育ではなく、今必要なことを見極め、個人個人の成長に沿った保育を提供しているとのこと。また企業側とミーテイングを行い、連携を密に作り上げている体制、そして職場まで一緒に来て一緒に帰ることができ、何かあってもすぐに駆け付けられる環境は親子にとってもかけがえないものだろう。

(画像:手作りのおもちゃが整然と並ぶ)

現在は病児保育の準備を進めている段階で、子どもがいながら働くママの悩みをまた一つ解消しようとしている。

全員が初めての経験。生活もシェアハウスも作り上げ真っ只中

勿論、良いことばかりではない。シングル家庭だからこそ、夕食はみんなで集まって楽しく食べて欲しいという代表の想いがありながら、皆、不安や悩みを抱えながら、新生活での育児、仕事で精一杯である。周りに気遣う余裕がなくなる、仕事が終わったらゆっくり子どもとだけ過ごしたい、気の合う人だけと過ごしたい。理解するに余りがあるだろう。

(画像:シェアハウス共用部分にある食事スペース)

子ども同士は仲が良く、集まると楽しいのでテンションが上がってしまう。お母さんは仕事が終わって疲れているので、注意したり諫める労力はもう残っていない。静かに過ごしたい…シェアハウスを始動して分かった現実である。

現在は懇談会、誕生日会以外に、月一度入居者ミーティング(全員参加)を行い、連絡事項、悩み相談やルール決め事などを話す機会を設けて、まさに作っていっている最中のようだ。入居者のリーダーを当番制にして、会社と架け橋の役目を経験するなど、今後の暮らしをよりよく過ごすための動きを進めている。

変わらないテーマは「自立支援」

ポラリスは自立支援介護のパイオニアであり、今までに介護保険からの卒業204名(2019年10月現在)を実績としている。(ポラリス代表森氏記事はこちら☆)

ママ幸プロジェクトも「自立支援」の為のプロジェクトであることを忘れてはならない。社屋を建て、保育園やシェアハウスを整備し、生活必需品を全て整え、居場所に困る人を全て受け入れる姿勢は、「介護業界は人手不足だから、困っているシンママに来てもらったらよい」というだけの、軽い気持ちでできるようなプロジェクトではない。

出産前に入居が決定し、産後2か月のシンママが入居されていた。まだ働ける状況ではない。ポラリスとしては、ママ幸ハウスは「社員寮」なので、従業員の福利厚生として家賃三万円を可能にしているのだが、今回は例外的に就労可能になってから、徐々に一日数時間できる範囲の仕事から始めていく予定だと言う。「命を救う」を最優先に、他に行く場所がない親子、諦められる命を無くすため、四角四面ではなく、会社が歩み寄る柔軟な姿勢で対応している。

ママ幸プロジェクトのゴールはママ幸ハウスを卒業して、自立した生活を送れるようになることである。「ママ幸ハウス卒業プロジェクト」として、収入の増額につながる介護福祉士、ケアマネージャーなど資格取得のサポートや個別面談をしている。1人では難しいことも、仲間同士が励まし合える環境で、悩みを分かり合える人が見つかる。全ては自立のためのプロジェクトである。

休みは月10日。待遇面、通勤時間や子供の送迎時間短縮などのメリットを生かし、ここで力をつけて歩みだしてほしい。

これからの課題は

『育、職、住』 全て整ったら再出発できるだろう。各部屋に水回りを設け、プライバシーを確保するとシェアハウスでもストレスなく暮らせるだろう。それは最善を考えたものであったが、実際の生活は想像だけでカバーできるものではない。

シンママという立場でしかできない様々な経験があるはずだ。シェアハウスで暮らすメリットを生かして頑張ろう。-それは理想論だ。シェアハウス運営が難しい一因でもある。実際に、シェアハウス運営を開始すると、住まいと仕事、育児で全て解決ではなく、様々なケアが必要だと分かってくる。

ポラリスでは、お母さんのカウンセリングや、子育ての悩みの勉強会を定期的に開催している。手探りの中、必要なことを随時取り入れてよい形にしていく姿勢だ。

入居者の本音を伺うと、「全て面倒をみてもらって、甘えていると思われたくない。ここに住んでいることが周りの保護者にばれたくない、陰口をたたかれているのではないか気になる」とあった。

辛い経験を経て、環境や社会制度のために選択肢がなかったとしても、精一杯働き毎日懸命に生きていても、シングルマザーだからと卑下してしまう現実がある。これを解消するにはやはり「自立」しかないと、改めて思う取材であった。企業主導のシンママシェアハウス運営と、自立支援プロジェクトのこれからに目が離せない。

【お問い合わせ先】

ママ幸プロジェクト 公式URLホームページ 

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お問合せ先(応募者様用) info@mamasachi.com 藤原宛

株式会社ポラリスhttp://www.polaris.care

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