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養育費を確実に受け取るために。 大阪市で養育費の保証促進補助金制度開始

離婚後、養育費を受け取っている割合が全体の1/4しかなく、子どもの貧困が社会問題化するなか、大阪市で新たな取り組みがスタートしました。

 

昨年、総合保証サービス会社の株式会社イントラストによりスタートした、離婚時に養育費の取り決めがされた(されていた)場合、保証会社が連帯保証人となる、養育費に「保証」をつける仕組み。(関連記事:養育費の滞納、どう対処する!?知っておきたい養育費の保証

 

この画期的な仕組みに大阪市が一歩乗り出し、保証会社に支払う初回保証料最大5万円を大阪市が補助する制度を開始しました。これにより保証期間中は養育費がスムーズに受け取れるようになります。

 

株式会社イントラストで開催されている養育費保証の説明会に参加し、養育費保証事業部長の永田氏にお話しを伺いました。(取材・文・写真 浦邊真理子)

 

養育費は「こどもの権利」親が放棄するものではない。

 

母子家庭、こどもの貧困が問題視されるなか、離婚したひとり親家庭の約2割しか養育費を受け取っていないという、先進国では稀にみる養育費受給割合の低さが議論となっています。(厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査結果報告」)

 

最近では離婚時に取り決めを証書にしておくといった行政主導のアドバイスも始まり、少しずつ変化はあるように見られるものの、養育費の平均受給額は、平成28年度の厚生労働省が発表した統計上では、母子世帯で平均月額43,707円、父子世帯で平均32,550円と低いものになっています。

 

口約束で「養育費を支払う」と取り決めをしても、実際に支払いが継続する場合は少なく、支払わなくても事実上、何のペナルティもないため、放っておくと払わなくなるのが現状です。

 

子どもの貧困も直結し、生活に直結する問題にも関わらず、「払ったら損」、「金銭的な余裕がない」、「再婚して新たに子どもができ払えない」など、「子どもの権利」を無視した自分都合がまかり通っています。

 

受け取る側も、「交流したくない」「請求するのが面倒くさい」「連絡先を知らない」などの理由から子どもの権利を放棄しています。このことは日本の「子どもは親の付属物」と考える悪習が未だ残り、親権を片親に定めていることが大きな要因と考えられます。

 

外国では養育費を子どもの命に直結する問題として、不払い時に国が肩代わりする制度や、最終的に逮捕になることもあるなど、就労や社会的信用にも影響することに比べて、日本では「別れて一緒に暮らしていないのに、養育費を払って偉い」と世間で堂々と言われるほどの格差があります。

 

画像:株式イントラスト大阪にて開催の説明会風景

大阪市が後押する、「将来のために保証をつける」仕組み

養育費の未払いが問題視されるようになり、全く新しい仕組みが昨年スタートしました。それはまさに将来のために保証をつけるというものです。

 

初回保証料(一か月分の養育費相当額)を支払い(年契約)、もし未払いがあった場合は最大12か月分の養育費を立替えて支払ってくれるというもの。保証会社は立替金を債権として自ら回収も行うので、想像するだけで苦痛の別れた相手との嫌なやり取りをしないで済みます。

 

将来養育費のための給与差押や、債務名義の取得手続きに関わる弁護士費用(最大30万円まで)なども保証してくれるので「利用しない手はない」画期的なシステムですが、問題なのは保証料です。経済的に困難なひとり親家庭にとって、一か月分の養育費相当額の保証料を支払うということは大きな負担となりそうです。

 

その初回保証料を補助してくれるというのが、2019年4月より始まった大阪市の補助金制度です。この養育費の保証促進補助金制度は、こどもを持つひとり親家庭の母または父の養育費の取り決め内容を「口約束」ではなく債務名義化(※)することを促進し、継続した履行確保を図ることを目的とされています。公正証書、調停調書などで取り決めが債務名義化されていると、支払いの「義務」を果たさない場合、取り立てることが可能であり、強制力が生じるので「払わなくても罰則なし」とはなりません。

 

<補助の対象及び補助額>
補助対象は、 保証会社と養育費保証契約を締結する際に要する経費のうち、初回保証料として本人が負担する費用で、補助金の額は、月額養育費と5万円を比較して少ない方の額を選定し、予算の範囲内で交付します。

 

<対象者>
大阪市にお住まいのひとり親家庭の母または父で、次の要件の全てを満たす方
・児童扶養手当受給者または児童扶養手当を受給できる所得水準にあること
・養育費の取り決めに係る債務名義(確定判決や強制執行認諾約款付公正証書、調停調書など)を有していること
・養育費の取り決めの対象となるこどもを現に扶養していること
・保証会社(現在は株式会社イントラストのみとなります)と1年以上の養育費保証契約を締結していること
・過去に補助金を交付されていないこと

 

申請できる人・申請方法・申請期日・申請窓口など詳細は以下
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000468039.htmlよりご確認ください。

 

※債務名義とは 強制執行によって実現されることが予定される請求権(養育費)の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のことで、具体的には、確定判決や強制執行認諾約款付公正証書、調停調書などです。

 

個人同士の取り決めでは弱いものが負けてしまうので最初が肝心!

 

離婚時には一刻も早く別れたい思いで、養育費や面会交流、将来のことについて取り決めなどをしないまま別れてしまう場合が多いのですが、子どもが成育し、学費が発生してくると、想像以上に学費負担が多いことなどから「やはり養育費を貰いたい」となる相談ケースが多いそうです。

 

しかし、離婚時に適正な取り決めが交わされていないと覆すことはハードルがとても高く、また、口約束で養育費の支払いを決めていたとしても、交流のない相手を探し出し、養育費を貰うのは困難です。最初の取り決めが肝心。取り決めがされていなければ、この保証サービスに入ることは出来ません。

 

子どもの権利として衣食住はもちろん、学資の確保は絶対に必要です。学校に行けないことや学力の低下、また経済的な負の連鎖や、悪いスパイラルに嵌った人生になってしまう確率が増加します。

 

残念ながら、今の日本には未だこの保証の仕組みと、補助制度がないと子どもの人生を守れない状況と言えるでしょう。

 

株式会社イントラストによる説明会が開催されます。個別相談もできますので、離婚前、離婚後に関わらず参加ください。養育費についてどのように進めるか、勉強の機会にもなります。

 

【説明会開催日】
6 月 21 日(金)18:00~
7月12日(金)18:00~
7月13日(土)10:00~
7月26日(金)18:00~
7月27日(土)10:00~
8月 9日(金)18:00~
8月16日(金)10:00~
8月16日(金)14:00~
※各日程1時間ほどの予定

 

【説明会応募方法】

◆メール youiku@entrust-inc.jp

◆TEL 0120-560-116

受付時間/9:30~18:00(月~金曜日)
祝日・年末年始など特別休業日を除く

 

【会 場】株式会社イントラスト 大阪オフィス 会議室
住所:大阪府大阪市中央区瓦町 3-3-7 瓦町KTビル 8F

画像:取材をお受けくださった株式会社イントラスト 養育費保証事業部長の永田氏

(養育費保証・説明会に関する問い合わせ先)
株式会社イントラスト
https://www.entrust-inc.jp/
TEL:0120-560-116
メール:youiku@entrust-inc.jp