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ひとり親家庭に求められるダイレクトな支援「家賃補助」 政令指定都市で唯一取り組み、全国的な支援を先導する神戸市の制度

住まいは生活の基盤を作る必要不可欠な場所にも関わらず、低収入、非正規社員が多いシングルマザー、プレシングルマザーには住問題を抱えている方が多い。シンママStyleが行った「シングルマザーの居住に関するアンケート」でも家賃補助があればよいのにという声が多くあった。

 

ひとり親家庭の公営住宅、市営住宅への入居も用意されているものの、申し込み期間や、収入制限、勤務地への通勤距離や所要時間、子どもの学校の転校を避けるための選択できないケースは多く、応募しても落選する場合も少なくない。

 

そんななか、居住問題を抱えるひとり親家庭にダイレクトな支援が「家賃補助」と言える。いち早く家賃補助制度をスタートした神戸市に、お話しを伺った。(取材・文 浦邊真理子)

 

神戸市役所

―何故神戸市がひとり親家庭への「家賃補助」制度を始められたのでしょうか。

神戸市建築住宅局 住宅政策課 奥村氏(以下神戸市) 神戸市では、2014年度頃から民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティネットの再構築について検討し、どのような支援が必要なのか独自調査を進めておりました。2016年度のひとり親1,000世帯を対象とした調査で、「住居費の負担感」を尋ねたところ、アパートなどの賃貸住宅入居者のうち37%が「生活必需品を切り詰めるほど苦しい」と回答しました。毎月の住居費が月4万円以上になる世帯の比較では公営住宅の利用者は9%でしたが、民間賃貸の利用者では75%と大きな隔たりがありました。

このような、ひとり親家庭の居住問題の大きさから、神戸市独自のダイレクトな支援として家賃補助を進めることになりました。

―制度の詳細を教えてください。

神戸市 対象はひとり親世帯であること(配偶者の死亡や行方不明含む)・DV(配偶者からの暴力)被害を受けた方、未婚のひとり親も含みます。
条件としては、

①世帯全員の所得合算額が市営住宅の収入基準(政令月収158,000円以下)を満たすこと。
②申請時の住所に住み替えを行う前から、神戸市内に在住又は在勤していること。
③住宅要件を満たす民間賃貸住宅に新たに引越し、住環境が改善されること。住環境の改善というのは、通勤通学時間の短縮や、居住環境の改善なども含み、住宅そのものが向上するというだけではなく広義での改善を含んでいます。
他に住宅要件も定められており、
④居住面積が25平方メートル以上であること、新耐震基準に適合していること※新耐震基準(昭和56年6月1日以降に建築された住宅)に適合しない住宅については、耐震診断により同等の耐震性を有することが確認された住宅である必要があります。
⑤申請者の三親等内の血族及び姻族並びに配偶者の所有する住宅ではないこととなっています。

―公営住宅に落選したことも条件にありますね。何故公営住宅への一回以上の落選が条件なのでしょうか。 ※ひとり親世帯となって以降、申請時の住所に住み替えを行う直前の住宅に居住している間、住み替え日以前3年間に公営住宅(市営・神戸市内の県営住宅)に申し込みをして落選したことがあることが条件にある。

奥村さん 神戸市では、一般市営住宅の募集の際、母子・父子世帯など特に住宅にお困りの世帯が当選しやすくなるような措置を行っています。また、一般の募集住宅とは別に、特に住宅にお困りの世帯を要件とする特定目的住宅として、母子・父子世帯向住宅を設けています。この制度は、そうした措置を行っても公営住宅に入れなかった家庭を支援していくという趣旨で行っているため、条件として設けています。しかし、DV被害等、緊急的な理由により公営住宅に申し込みができない場合は相談させていただきます。

―公営住宅の入居状況や倍率などはどうなっていますか。

神戸市 人気のある地域の住宅が募集にだされた場合には応募倍率が非常に高くなるなど、地域差や募集を行うタイミングなどによって大きく異なりますが、近年は概ね5~10倍で推移しています。

2018年3月のデーターでは、ひとり親家庭用の特定目的住宅は市内に約1000戸用意されており、8割が入居されている状態です。

新たにひとり親家庭として生活する場合や、公営住宅に申し込むことなく、自ら民間賃貸住宅に住んでいる場合は、申請する前に希望の地区の公営住宅に申し込むことが必要ですね。

(他、詳細や条件は神戸市ホームページ※

リンク:www.city.kobe.lg.jp/life/town/house/information/hitorioyayatinnhojyo.htmlでご確認ください。)

―補助の内容を教えてください。

神戸市 家賃補助は最大月1万5千円となっています。(最大)としていますのは、家賃月額が1万5千円を下回る場合や、の家賃補助などで、実質1万5千円以下の支払いの場合、実質負担金額までを最大としてお支払いするということです。

―家賃以外の補助はありますか。

神戸市 家賃債務保証料補助として、家賃債務を担保するために家賃債務保証会社に支払う保証料を最大で6万円まで補助しています。敷金、礼金、保証金などの契約で発生する金額の補助はありません。

引っ越し費用の補助については、この支援制度とは異なりますが、神戸市親・子世帯の近居・同居住み替え助成事業という支援があります。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/town/house/information/oyako-riyou.html
神戸市に在住の親世帯の近くに引っ越される場合などに利用できます。

―家賃補助期間は定められていますか。

神戸市 最大6年間(一番下のお子様が18歳に達して以後、最初の3月31日まで)となっています。

―何故、6年間と定められているのでしょうか。

神戸市 小学校の在学期間や中学・高校の修業年限などを想定し、学校生活を無事送ることができる期間を定めています。

―一度補助を受けられると途中で打ち切り、退去しなくてはならないということはありますか。

神戸市 継続して補助の交付を受けるには、毎年継続申請をしていただく必要がありますが、基本的に同じ物件にお住まいで、条件が変わらない場合は、継続して6年以内で一番下のお子様が18歳に達して以後、最初の3月31日までは継続される予定です。

―受入数は決まっていますか。

神戸市 2018年末時点で約110の世帯が利用しており、新規で40件程度に達し次第、受付を終了します。

―こちらは先着順でしょうか。

神戸市 平成31年4月15日より申請を受け付けており、先着順となります。

―今後、この補助は継続されていくのでしょうか。

神戸市 新たな住宅セーフティネット制度が2017年10月からスタートし、国では様々な支援のしくみが用意されています。こうした流れから、神戸市でも今後、制度を移行する可能性はありますが、「ひとり親家庭への居住支援」は今後も継続してまいります。

―神戸市がこの制度を始められた時は、ダイレクトな家賃補助はありませんでした。現在では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨木県、富山県、内の一部の自治体が取り入れ年々増えてきています。今後も日本全体の支援制度が少しずつ変わっていくような真に求められる支援を迅速に行うリーディング都市、神戸市の取り組みに注目しています。

最後に申請方法を教えてください。

神戸市 申請窓口は、神戸市すまいとまちの安心支援センター「すまいるネット」になります。

申請方法や必要書類など、詳しくは、下記ホームページをご確認ください。
https://www.smilenet.kobe-sumai-machi.or.jp/hojo-2/hitorioya-2/
※必要書類の提出は申請窓口へ持参してください。(郵送不可)

問い合わせ先:
神戸市すまいとまちの安心支援センター「すまいるネット」
〒651-0096 神戸市中央区雲井通5-3-1 サンパル4階
TEL:078-222-0186
FAX:078-222-0106
https://www.smilenet.kobe-sumai-machi.or.jp/
※すまいるネットは2019年秋に移転しますので、所在地、電話番号が変更します。