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「うそつき」呼ばわり。児童扶養手当、突然の打ち切りの真実は?

多くのシングルマザーは児童扶養手当に頼っていると思います。そもそも児童扶養手当はシングルマザーを筆頭にひとり親家庭の生活の安定や自立を手助けする目的として、地方自治体から支給されるものですよね。

それがある日突然打ち切られたら……想像しただけでも鳥肌が立ってしまうというシングルマザーも少なくないのではないでしょうか。しかし、これが現実に起こってしまったのです。今回ご紹介するのは、児童扶養手当が突然打ち切られたシングルマザーのストーリーです。

福岡市にて18歳の女の子を育てている54歳のシングルマザー。低所得のため、市から月額4万3160円の「児童扶養手当」をもらってなんとか生活していました。しかし、突然それが打ち切られたのです。なぜかというと……。

なんと20年前に離婚した元夫が、女性の知らないうちに女性たちが住んでいるアパートの部屋を住民登録していたというから驚き。当然、市は事実婚を疑いますよね。そうして児童扶養手当は打ち切られ、住民登録後に支給された分の児童扶養手当の返納まで市に求められました。

もう少し詳細に、この件の背景を探っていきましょう。家族構成は実はちょっと複雑。女性には病死した夫との間に18歳の長女が、今回の騒動を起こした元夫とのもとに成人した息子が3人いました。現在女性とともに暮らすのは、アルバイトとして働いている24歳の次男と高等専修学校に通う18歳の長女。3人で家賃7万円のアパートで暮らしていました。

女性は弁当屋で働き、月13万円の収入を得ていましたが、当然、2人の子どもたちとの生活はぎりぎり。12年前に、シングルマザーでは契約できなかったアパートの名義人を元夫に頼んで以来、元夫は疎遠だったそうです。

それなのに、今回このような事態に発展したのはいったいなぜ……。実は市が提出させた「現況届」が原因のよう。「現況届」は市が受給者に毎月8月、収入や現在の状況は変わっていないかなどと確認するため「現況届」を提出させています。

シングルマザーの女性は市役所で思いもよらない指摘を受けることになります。女性の住所に成人男性が住んでいるのではないか、ということ。もちろん女性は心当たりなどなく、そう答えたが市役所から返ってきた返事に驚くことになります。

女性と同じ住所に住民登録してあったのは元夫だったのです。女性は「一緒に住んでいない。家に見にきてもらってもよい」と市役所職員に説明しましたが、児童扶養手当の「資格喪失届」を受け渡されることに。

もちろん女性に心当たりは何もありませんから、何度も「一緒に住んでいない」ことを主張しましたが、受け入れてはもらえずに、「資格喪失届」の書類を書き進めることになりました。そして、職員に書類の「事実婚」の欄を選択するように言われたそうです。

訳も分からず女性は支給済み約26万円返納を言い渡されますがとても払えません。そうすると職員は月々7000円の分割払いを提案してきました。女性は抗えず、しぶしぶ判子を押してしまったそうです。

その晩、急いで元夫の連絡先を調べ上げ、その事実を問いただすと夫は認めたようです。しかし、それに悪意はなく、元夫は女性の家族とはまた別の一人世帯として登録したつもりだったようです。

その後、女性は区役所に「受給資格があるはずだ」と訴えましたが、市は同居していなかったことを証明する書類の提出を求めるばかりで、話し合いは進まなかったのだそう。

今回の件は、どう考えても福岡市役所側の不手際に思えてなりませんよね。その後、福岡市は毎日新聞の取材にこう答えています。

【8月の現況届提出時に「調査を求められ、事実婚ではないと繰り返し訴えられた事実はない」「住民票上、番地が同じであれば、生計同一関係にないことを明らかにする証拠がない限り、生計同一と判断される材料となる」】

福岡市のこの回答をみなさんはどう捉えますか。身の毛のよだつような思いに駆られたシングルマザーも少なくないのではないでしょうか。

もちろん、市役所が「現況届」を提出されるのはいじわるでもなんでもなく、事実婚などでの不正受給を防止するためかもしれません。これはとても大切なことです。しかし、今回の件は安易な判断があったのではないでしょうか。

実際に女性は事実婚ではなく、ちゃんと一人で子どもたちを育てていたのですから。こんな悲劇が起きていいわけがありません。

厚生労働省では、

・シェアハウスでは異性と同居することがある

・離婚後も住宅ローンの支払いのため元配偶者が住民票を移動しないことがある

などの例を挙げて、今回のような場合は例外を見極め「形式要件で機械的に判断せず、生活実態を確認して判断」するように声をかけているようです。

これにより、「現地確認や面談で事実確認する。未確認の段階で(受給資格の喪失手続きは)行わないよう指導している」など、安易に判断しないことを心掛けている自治体もあるようです。それだけに、今回の福岡市の例は残念でなりませんね。

(文/松岡ルンルン 画像/123RF)

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