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発達障害の息子が東大に! シングルマザーの奮闘記

シングルマザーに育てられた発達障害の男性が東大の大学院に合格しました。シングルマザーの息子というだけで大学進学が難しいと思われがちですが、この男性は発達障害を患っていたというのですから驚きですよね。

この男性の母親は、秋田県潟上市で美容室を営む菊地ユキさん(51)。主治医の言葉に何度も助けられたと言います。今回は、そんな親子のエピソードを探っていきましょう。

8月19日には、これまでの子育ての苦労と喜びを綴った『発達障害で生まれてくれてありがとう〜シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』(光文社)を出版しています。

■そもそも発達障害とは?

エピソードを紐解く前に、発達障害について言及しておきましょう。発達障害は生まれつきの障害。先天的に脳機能の発達が偏っているため起こる障害とされています。

主な症状は、1歳を過ぎたころから見られることが多いようです。具体的には、ほかの子どもに関心を持てない、人の目を見ることができない……など。保育園などに通い始めて、一人遊びが多かったり、集団行動が苦手だったりといった、人との関わりに関係する部分の症状によって気付かれることが多いようです。

また、自分の話したいことしか言わない、人の話を聞くのが苦手で会話のキャッチボールができないなどという「社会的生きにくさ」が発現されます。成長するにつれて症状は変化し、多様化していくようです。年頃になると、自分が他人と違うことを自覚し、対人関係に悩む患者も少なくないようです。最悪なことに、うつ病などを合併することも。

それだけでなく、発達障害は大きな誤解を招くこともあるようです。例えば、症状が出ている状態を「わがまま」「自分勝手」「手に負えない子」などと捉えられてしまうことも。母親に対して「育て方が悪いのでは?」といった批判の声もあるようです。

想像するだけで、「生きにくさ」が分かると思います。その発達障害を持った男性が東大の大学院に合格したというのですから、本当にすごいことだと思います。ましてや、ひとり親家庭で育ったというからなおさらです。母親の苦労は想像以上だったと思います。

■「この先、どうやって育てていけばいいのだろう」母親の苦悩と主治医の言葉

菊地さんは、「この先、あの子をどう育てていけばいいのかと思い悩んでいたころ、主治医の先生にかけられた一言に、私は目から鱗が落ちる思いでした」とこちらの記事のインタビューで語っています。

男性は小学校1年生のときに「ADHDの疑いあり」という診断を受けました。このときの主治医が菊地さんの気持ちを支えてくれたのです。

同時の男性は、感情表現が苦手で小さなことで友達に暴力をふるったり、授業中突然立ち上がったりするなど授業態度が悪かったり、また物忘れが激しい状態で先生や同級生たちを困らせていました。

親子でお出掛けをしても、地面などに転がったり、手に負えないと感じるような行動が多かったといいます。

■「生きていく価値もない」絶望的な言葉の背景には

菊地さんは去年出版された『発達障害で生まれてくれてありがとう〜シングルマザーがわが子を東大に入れるまで』(光文社)のなかで、こう綴っています。

【あるとき、私はH先生に「息子は友だちができないんです」と、相談したことがありました。

「よその子どもと遊んでいても、この子はちょっとしたことですぐ殴ったり蹴ったりしてしまって。だから、大夢には本当の意味の友だちがいないんです」

するとH先生は真顔でこういうのです。

「それは素晴らしいことです」

「先生、この子は友だちもできないし、勉強だって……授業もまともに受けられないからきっとダメだし。たぶん、この先、生きていく価値もないと思うんですけど」】

主治医の言葉に驚いたのは、筆者だけではないと思います。こんな突拍子もない言葉、菊地さんもさぞ驚かれたことでしょう。

【来る日も来る日も、息子の将来を悲観し、それでも目の前で繰り返される問題行動に手を焼き続け、怒鳴り散らし、不安とイライラで気持ちはいっぱいいっぱいでした。ひとりになると、知らず知らずのうちに涙が溢れてきました。】

そんな状況から菊地さんは息子のことを「この先、生きていく価値もない」と口走ってしまいます。その言葉を受けて、主治医はこう続けます。

【「それは違いますよ。お母さん、たいがいの悪いことは、友だちから学ぶものです。だから友だちなんていなくたっていいんです。お母さん、あなたが息子さんに教えるただ1つのことは、一人で生きていく術だけです。勉強も教えなくていい。友だちと遊ぶことも教えなくていい。かけっこが1番になる必要なんてない。ただ1つ、将来一人で生きていけるように、その方法だけを考えて、教えてあげればいいんです」】

声をかけられた当時は、主治医の言葉にしっくりこなかったと菊地さんは語っています。しかし、時を経ることにその言葉の重みが息子を東大へと導きます。

■シングルマザーに育てられても障害があってもできることがある

こちらの男性の場合は、経済的に余裕のないシングルマザーに育てられ、さらに発達障害というハンデを背負いながら東大の大学院に進学しています。筆者である私は今回のエピソードに深い感銘を受けました。多くのシングルマザーは、自分がひとり親であることをコンプレックスと感じ、さらに経済的な理由から子どもの大学進学の道を閉ざしてしまっているのではないでしょうか。

しかし、国立大学であれば、学費も割安で済みますし、奨学金制度を利用すれば、大学進学は夢ではありません。また、今回のケースのように発達障害を抱えている子どもが大学に入学するケースもあります。

シングルマザーのみなさんは、自分や子どもの可能性を信じて、それをつぶさない道を選んでいただきたいと切に感じました。

(文/松岡ルンルン 画像/123RF)

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