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死別シングルマザーの実際。偏見やイメージの違いとは

ゆー

シングルマザーにはいろいろな形があります。一般的に多いといわれる離婚シングルマザーの他に、未婚シングルマザー、死別シングルマザーもいるのです。死別シングルマザーと聞いてどんな印象やイメージを持ちますか。

もしかしたら、明日夫が亡くなっていきなりシングルマザーになるかもしれない、ということは考えたことがありますか。そこで、死別シングルマザーのことをブログや体験談を参考に、よくある偏見やイメージとの違いについてまとめました。

■死別シングルマザーってあまりいないよね、という偏見

シングルマザーと聞くと、ほとんどの人が、離婚して母子家庭になった人のことだと思うかもしれません。総数や割合をみても、明らかに離婚で別れる夫婦のほうが、その他の理由で別れる夫婦よりも多いことがはっきりしているからです。

しかし、それだけで死別シングルマザーはあまりいないと思ってもいいのでしょうか。2016年の厚生労働省の統計調べでは、死別シングルマザーの比率は、8.0%です。ちなみに、死別シングルファーザーの比率は、意外にも19.0%でした。

離婚件数が21万7000件にのぼるので、単純に計算すると、死別シングルマザーの総数は、1万7360という数字になります。

少し古い数字ですが、03年の大阪市における死別シングルマザーの総数は、3544世帯になります。内訳は、病死が2856世帯、交通事故死172世帯、その他の理由が516世帯となっています。1つの市だけで3544という数字をどうとるかですが、意外にも多いということがわかっていただけるのではないでしょうか。

■死別シングルマザーって優雅な身分だというイメージ

夫が不慮の事故や病気で亡くなると、お金が入ってくることをご存知でしょうか。まず、子どもがいれば遺族基礎年金が入ってきます。夫がサラリーマンであれば、遺族厚生年金が上乗せされます。遺族年金は、子ども1人の場合、年間で100万ほどもらえて、子どもが増えるごとに10~20万円上乗せされます。

そのほか、家のローンも夫名義で組んでいた分は全て免除になるので払わなくて済みます。医療費は、子どもが高校を卒業するまで母親も無料になります。さらに、夫の名前で入っている保険に死亡保障がついているものはすべて今後の保険料払い込み免除になるうえ、死亡したときの保険金がもらえます。

会社などに夫が勤めていれば、退職金を払ってもらえるところも多いようですので、勤続年数が長いほどもらえる額は当然大きくなります。役職など持っていれば、上乗せされることもあります。

したがって、安月給の夫であれば亡くなったほうが場合によっては経済的に助かるケースもあります。また、夫に複数あるいは多額の保険をかけていた場合、死亡することによって家が1件買える以上の保険金を手にすることができる人もいます。

保険金を手にすることによって、高価なものを手に入れたり仕事をやめて自由なことをしていたりするシングルマザーを見てしまうと、どうしても「うらやましい」という気持ちが芽生えてしまう方もいるかもしれません。

あるシングルマザーは、このようにつぶやいていました。「家も財産もあって相当な額の保険に入っていれば、確かにダンナが死んだら優雅に暮らしていけるのかもしれない。でも、そんな風に優雅に暮らしていける未亡人はごくわずか。世間のイメージなんてほんとに勝手で私にとって迷惑でしかない」と。

そう、性格の不一致を理由に離婚したシングルマザーと異なり、死別シングルマザーは望んでシングルマザーになったわけではないのです。例えお金があっても、それが幸せかどうかは分かりませんし、お金があって裕福に暮らしているというのも、全ての死別シングルマザーがそういうわけではありません。

■死別シングルマザーって、手当やお金をもらいすぎ、という偏見

シングルマザーは、児童手当の他にも、児童扶養手当をもらっているのに、さらに遺族年金で月10万以上もらうなんて、もらいすぎではないかと思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、あるシンママさんは、子どもが2人いて遺族年金を月々13万円もらっているのですが、ひとり親向けの手当である児童扶養手当をもらっていないそうです。児童扶養手当には所得制限もありますし、ある一定額以上の遺族年金を受け取るようになると支給されないのです。しかもこの遺族年金は、子どもが18歳(子どもが障害を持っていれば20歳)になったら、一気に減額されます。

そのため、遺族年金や児童扶養手当をもらっていれば安泰に老後まで暮らしていける、という保証はありません。死別後、パートや正社員の職を探す人もいます。ただ、遺族年金という制度のおかげで、死別後にすぐに仕事をしなくても経済的にはやっていけるという人は多いようです。

夫を亡くすという喪失感も大きいはずなので、支援や制度に頼りながら短くとも数カ月は傷をいやすことに時間をかける必要もあるのです。

また、遺族年金はすべての死別シングルマザーがもらえるわけでもないようです。年金を払っていなければ対象外ですので、そうなると死別の場合は別れた生活後の準備もできていないわけですからますます大変さがうかがい知れるでしょう。

■死別シングルマザーは励ましたほうがいいという思い込み

死別では、配偶者の喪失という精神的ダメージが大きい傾向にあります。大阪市における調査においても、「自分や子どもが精神的および情緒的に不安定になった」と答えた人が、その他の理由の人よりも20%多いことが分かっています。

ある大学の学術研究によれば、死別者の10~15%は病的悲嘆に陥るとされています。病気ではないけれども悲嘆が長期に及んだり、場合によっては感情が麻痺してしまって悲しむことができず前にも進めない状況になったりするといいます。

だからこそ、こんなつらい状況を見ていられなくなって周りはつい励ましてあげたくなります。しかし、夫を亡くして間もない時期はその励ましが余計なお世話になってしまうこともあります。

配偶者の予期しない死ではショックが大きく、周囲の「しっかりしなさい」という言葉かけは逆効果だといわれています。夫の死は自分のせいではないにも関わらず、怒りの矛先を向ける場所ややり場がなく自分を責めている人も少なくないのです。

一見、落ち着いてきたと思われる時期でも1年以上悲しみを引きずる人もいます。周囲からは、悲嘆に暮れていたら「早く元気になりなさい」と言われ、逆にカラ元気を見せたらその言動を責められたりすることがあるのはとても残念なことです。

人によって回復の時期は違うし、時間がかかるのです。あるシンママさんは、やはり時間が必要だと語っておられました。家族や友人の不用意な勇気づけは、逆に悲嘆の原因を深めるといいます。励まそうとするのではなく、共感し、傾聴することが大事なのです。

■死別シングルマザーは再婚しにくいというイメージ

死別で別れたシングルマザーは再婚しにくいといわれがちです。再婚を難しくする要因は、やはり夫を嫌いになって別れたわけではないため、次の恋愛に踏み切りにくいということでしょう。子どもがいればなおさらです。

子どもだって、夫婦仲が悪いのを見てお母さんは幸せになってほしいと思うこともないですし、天国にいったお父さんが一番であることには変わりがないからです。確かに、一生夫の代わりになる人がいないから再婚はしないと決める人もいます。しかし、一方で死別して1年で再婚した人もいます。

死別した人の境遇や気持ちでしか判断できないと言う人もいます。実際に、死別シングルマザーの約8割が「寂しい」と言っています。どれほど別れた夫が好きだったとしても、その後の長い人生を思い出だけを頼りに一人で生きていくことはつらいと感じる人もいます。

母親の寂し気な様子を見て、「お母さん、再婚していいよ」と背中を押す子どももいます。未亡人は狙われやすいから身を固めるためにも再婚を決意したという人もいます。それぞれが、それぞれの考え方で再婚するかどうかを決めるようです。

どのパターンにしても、子どもが不幸せにならないようにすること、それさえできていれば文句を言う人は少ないでしょう。

~おわりに~

闘病をしていた夫が亡くなる以外は、ほとんどが事故や脳梗塞、心臓発作などの病気による突然死で死別します。心の準備ができていてもつらいのに、できないまま別れることは想像できないほどのつらさでしょう。他人事と思っていても、もしかしたら明日自分の身に起きることかもしれません。

考えたくないことですが、もし夫が亡くなって死別シングルマザーになってもやっていける準備をひそかにしておく、など何かしら今できることがあるかもしれません。

また、死別シングルマザーへの思い込みや偏見を捨て、そばで苦しんでいる人がいたら無理やり励まそうとするのではなくただそっとつらい気持ちを受け止め、寄り添ってあげられる気持ちを持ちたいものです。

(文/ゆー 画像/123RF)

参考、引用元

厚生労働省統計(2016)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188182.pdf

大阪市における母子家庭への差別・偏見

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000483/483420/15tyousa2.pdf

死別後の精神的状況(学術研究)

http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/saigai/2011sanrikuoki_eq/grief.html

死別シングルマザーの相談・ブログ

https://ameblo.jp/tukiyo8266/entry-12392091316.html

https://komachi.yomiuri.co.jp/t/2017/0920/819810.htm

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14210538764

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ゆー
8歳、6歳、5歳、2歳の4人の子どもの育児中です。シングルマザーではありませんが、平日はほぼ1人で育児をしています。夫はいても安月給でそのうえ左遷されてしまい、いよいよ危機感を感じ、今年から徐々に本腰入れて働き始めました。産後にかなり体調を崩していましたが、ようやく立ち直りました。ライティングはこの数年で少しずつ始めました。ライティングの仕事では、主にこちらの「シンママstyle」にてお世話になっています。 仕事ではパワハラに会い、妊娠中は流産・死産を経験し、末っ子では産後に先天性の病気が見つかるなど、色々と人並みかそれ以上の苦労はしてきました。シンママと同じようにというわけにはいかないかもしれませんが、いち母親として子育ての大変さ、そして何ものにも代えがたい思い出や良かったこと、おすすめしたいこと、働くママの家事育児のコツなどを経験としてメッセージに乗せていけたらいいなという想いで執筆中です。 資格や免許は英検準1級、教員免許です。得意の英語を生かして子どもに英語を教えてきました。また、教育を通じて、思春期の時期の子どもともかかわってきました。好きなキャラクターは、すみっこぐらしのしろくま、ディズニーのダッフィーです。最近の楽しみは、インターネットショッピングやイベント参加、クーポン使ってお得に外食に行くことです。

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