離婚すると相続関係はどうなる?

離婚した場合はどのように相続関係が変化するのかについて解説していきます。

タグ: ,

 

離婚をしたとしても、子供がいる場合は元夫との縁を完全に断ち切るのはなかなか難しいもの。長期的な目線で考えておかなければならない事柄の一つに「相続」の問題があります。夫が亡くなった場合、通常であれば妻や子供は遺産を相続します。

 

離婚した場合はどのように相続関係が変化するのかについて解説していきます。

 

・離婚後は子供のみ相続を受ける

 

離婚をすると、夫婦間は法律上でも他人となります。このため、元妻は相続を受けることはできません。一方、子供は両親が離婚しても父との血縁関係は変わらないため、変わらずに相続権を有します。

 

・相手が再婚している場合の相続割合

 

ちょっとややこしくなりそうなのが、元夫が再婚していて子供がいる場合です。この場合、基本的には前妻との子供も後妻との子供も平等な割合の相続権を有します。例えば、相手が再婚した妻との間に子供が1人いる場合、以下のような割合で遺産が分割されます。

 

現在の妻:1/2

現在の妻との子供:1/4

前妻:なし

前妻との子供:1/4

 

・相続割合は「遺書」で変更が可能

 

先ほどご紹介したものは「法定相続分」に基づいており、基本的にはこのように分割されますが、割合は遺書によって変更が可能です。つまり、元夫の遺書によって、現在の妻との間の子供への相続分を増やし、前妻の子供への相続分を減らすことも可能です。

 

ただし、法律上相続を受ける資格を有している人(法定相続人)は、ある程度の相続分は保障されているのでゼロにすることはできません。この保障されている遺産を「遺留分」と言います。

 

子供の場合、法定相続分の1/2が遺留分になります。つまり、たとえ元夫の遺書で前妻の子供への相続分についての記載がなかったり、相続をしないと記されていたとしても、遺留分については相続する権利を主張できます。

 

・相続するのはプラスの財産とは限らない

 

「遺産を相続する」と聞くと、何となくまとまった大金が入ってくるようなイメージを持ってしまいますが、必ずしもそうとは限りません。相続される遺産の中には、借金も含まれる可能性があります。

 

つまり、元夫が借金にまみれていたとしたら、その負の遺産が子供に相続されてしまうのです。

 

ただし、この相続を回避する方法はいくつか存在します。まずは「相続放棄」をしてしまうことです。相続をそもそもしないと意思表示をすることによって、プラスの財産も得られなくなりますが、借金も背負う必要はなくなります。

 

ただ、相続放棄をしても負の遺産は消滅するわけではなく、他の人に相続権が移りますので、そのあたりの人間関係には注意しましょう。

 

また、「限定承認」をするのも手です。これは、相続した遺産の範囲内のみで借金を相殺すれば良いという方法です。この方法は、相続したもののうちどうしても手放したくないものがある場合に有効です。例えば借金が3000万円で、プラスの遺産が500万円相当の貴重な芸術品だったとします。この場合、3000万円の借金の返済に対してこの芸術品を当てれば、残りの夫妻は追わなくていいというものになります。ただし、もし自分の貯金等の中から、この芸術品の価値相当の500万円を納めることができれば、この芸術品を手放さないという選択も可能です。

 

このように、借金等の相続に対しては様々な手段がありますが、事前放棄などはできないため、あくまでもそのときになってから対応する必要があります。相続の開始を知った日から3カ月以内に、単純承認・限定承認・放棄のいずれかを意思表示しなければなりません。これをせずに期限が過ぎてしまうと、相続権はまた別の人に移ります。そうなると、関係者がどんどん増えてより大きなトラブルにつながることも考えられますので、早めの対処を心がけましょう。相手家族との交渉でトラブルが起きそうな場合は、弁護士に間に入ってもらうことも可能です。

 

 

(文/こまち 画像/123RF)

 

 

 

 

 

 

タグ: ,