Dr.杉山伸子コラム

Dr.杉山伸子コラム たいせつな体の話vol.12 インフルエンザを予防しよう

立冬も過ぎ、北海道からは積雪のニュースも届きました。寒さに備え、体調管理をしっかりしていきましょう。

冬といえば、インフルエンザ。今年は流行するのでしょうか。第44週(2020年10月26日~11月1日)の定点当たりの報告数は32でした。昨年の同時期は4682でしたので、昨年に比べてインフルエンザの感染数は非常に少なくなっています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防対策としての飛沫感染対策や手指衛生などがインフルエンザにも有効であった可能性が指摘されています。「今冬は、このまま流行しないのではないか」という楽観的な見方もあるようです。

一方で、世界に目を向けるとインフルエンザはある程度発生しており、COVID-19との混合感染の報告も見られます。今後、海外からの入国者数が増えれば、日本に持ち込まれるようになるでしょう。「今冬は、まだ流行が始まっていないだけ」と考えておいた方が無難です。また、新型コロナウイルス感染症の流行が収まってから、いつもとは違う季節に流行する恐れもあります。

医療体制を維持するためにも、インフルエンザとCOVID-19の同時流行は避けたいものです。いつも以上に、インフルエンザ感染対策が重要になります。「流行するか?」と心配するのではなく、「流行させない」努力をしていきましょう。

《感染予防対策のキホンは、COVID-19と同じ》

インフルエンザは、新型コロナウイルスと同様、飛沫感染や接触感染によってうつります。咳エチケットの徹底とマスクの着用、石けん・流水による手洗いやアルコールによる手指消毒が有効です。また、体の抵抗力を高めておくことも予防につながります。バランスのとれた食事をとり、十分な休養をとるよう、日ごろから心がけておきましょう。

《インフルエンザワクチンを接種する》

インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果があり、発症した場合の重症化防止にも有効であると報告されています。日本感染症学会は、医療関係者、高齢者、ハイリスク群(妊婦等)、小児(とくに生後6カ月以上の乳幼児から小学校低学年)への接種を推奨しています。該当する方はワクチン接種を検討しましょう。

今年は、ワクチンの供給量も増やされているほか、自治体によっては、定期接種の対象者(65歳以上の高齢者)以外の方(妊婦や小児など)にもワクチン接種に対する助成が実施されています。お住まいの自治体の情報をチェックしてみてください。

診療中によく受ける質問に対する回答もご紹介しておきましょう。

Q.妊娠中もインフルエンザワクチンは接種できますか?

A.妊娠期間を通じて、インフルエンザワクチンの接種は可能です。妊娠中は、インフルエンザが重症化しやすいという報告もあります。赤ちゃんへの影響を気にしてワクチン接種を控える必要はありません。

Q.インフルエンザワクチンは、乳幼児にも有効ですか?

A.乳幼児のインフエルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、概ね20~60%の発病防止効果があったと報告されています。13歳未満の子どもには、2回接種が原則になっています。

なお、インフルエンザワクチンはインフルエンザの感染・発症を100%防げるわけではなく、副反応もあり得ます。医師と相談のうえでワクチン接種を受け、接種後に体調の異変があれば必ず医療機関にご相談ください。

《インフルエンザのような症状が出たら》

インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。また、ふつうの風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。COVID-19では、味覚障害や嗅覚障害が特徴的な症状といわれていますが、その他の症状はふつうの風邪やインフルエンザと似ており、症状だけで鑑別するのは困難です。

発熱などの症状が出た場合には、外出せずに休養をとりましょう。息苦しさや強いだるさ、高熱が出た場合には医療機関に相談しましょう。かかりつけ医がなければ、「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。

小児がかかりやすい発熱性疾患は少なくありません。高熱が出てもインフルエンザ以外の疾患である可能性もあります。これらの疾患を見逃さないためにも、小児科医による診察を受けるようにしましょう。かかりつけの小児科医や「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

ワクチンで予防できる感染症は、インフルエンザだけではありません。お子さんを感染症から守るために、必要な予防接種は遅らせることなく受けておきましょう。本年10月1日から乳児に対するロタウイルスワクチンの定期接種が始まりました。出産を控えている方は、初回の接種が2カ月時から始まるので、お忘れなく。

その他のワクチン接種のスケジュールは、参考文献にある「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」をご確認ください。

参考文献

インフルエンザの発生状況について(厚生労働省、令和2年11月6日):https://www.mhlw.go.jp/content/000691476.pdf

今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて(日本感染症学会、令和2年8月3日):http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2008_teigen_influenza_covid19.pdf

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(日本小児科学会、令和2年10月1日):http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf

【このコラムの執筆者プロフィール】

杉山伸子さん

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本女性心身医学会認定医

日本医師会認定産業医

Mimosa代表

【ホームページ・お問い合わせ先】

https://mimosa-donna.net/

カテゴリ:Dr.杉山伸子コラム

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本女性心身医学会認定医 日本医師会認定産業医 Mimosa代表

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