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Dr.杉山伸子コラム たいせつな体の話vol.11 女性の「痛い」「かゆい」をほっとかない

デリケートゾーンの痛みやかゆみ、困りませんか? もし、なってしまったとき、あなたならどうしますか? 今回は、産婦人科医がおすすめする対処法をご紹介します。これを読んでおけば、もう困らない!…はず。

《デリケートゾーンのトラブルは、かゆみと痛みがメインです》

まず、主な症状や原因を知っておきましょう。症状は、かゆみと痛みがメインです。急に起こるようなトラブルの場合、主な原因は、カンジダとよばれる真菌の感染症と接触皮膚炎(いわゆる、かぶれ)です。長い間お悩みの場合には、その他の原因も考慮に入れなくてはいけないため、産婦人科を受診しましょう。

《「かゆい、痛い」と思ったら、最初にするべきこと2つ》

◎観察する

鏡を使って、ご自分のデリケートゾーンを見てみましょう。ふだんの状態と違うところはありますか?

あら、見たことがないから、分からない? そうならないように、あらかじめ、トラブルがない普通の状態を見ておくことをおすすめします。ご自分の大切な部分です。自分できちんとケアしてあげましょう。

・水庖(水ぶくれ)はありませんか?

・潰瘍(皮膚がえぐれた感じ)はありませんか?

・ニキビのようなものがたくさんできていませんか?

・ぷくっとした腫れやぼこぼこしたできものができていませんか?

これらの症状があった場合やいつもと違う帯下(おりもの)が出ている場合は、自分で応急対処するのではなく、早めに産婦人科を受診しましょう。それぞれ、原因となる病気の治療が必要です。

◎刺激となりうるものを避ける

接触皮膚炎では、非常に多くのものがその原因となり得ます。症状が出始めたきっかけや時期、症状がある場所などから、想像力を働かせて、原因となりそうなものを避けましょう。たとえ接触皮膚炎でなくても、弱っているときには刺激に敏感になりますし、刺激によって悪化することもあります。

刺激になりそうなものを避けることは、どんなときでも必要な対処方法と考えましょう。以下に、原因となりうるものを列挙してみました。(アメリカ産婦人科学会によるPractice bulletin No.93から引用)

・おむつ、生理用品(タンポン、ナプキン)

・消毒薬、ビデ、香水や消臭目的の衛生用品

・体液(汗や精液、唾液など)

・香り付きや色の付いたトイレットペーパー

・コンドーム、殺精子剤や潤滑剤

・精油(ティーツリーオイル)、保湿剤(ラノリン、ホホバオイル、グリセリンなど)

・洗濯洗剤や柔軟剤、漂白剤

・石けん、入浴剤(バスソルトなど)、シャンプーやコンディショナー

・抗生物質、抗真菌剤、ステロイド外用薬、その他の局所に用いる薬

実に多種多様なものがありますよね。でも、軽い接触皮膚炎の場合、原因物質が取り除かれるだけでよくなりますので、思い当たるものがないかしっかりチェックしましょう。そして、新たな刺激を加えないためにも次のことにも気を付けましょう。

・きつい下着をはかない。天然繊維の下着にする。

・石けんで洗い過ぎない。ぬるま湯でやさしく洗う。

・難しいかもしれないけど、掻かない。悪化してしまいます。

《OTC薬(市販薬)を使うときに注意したいこと3つ》

いざ産婦人科を受診したくても時間がない、受診するのは気後れする…。そんなときには、自分でする応急対処として、OTC薬を使うことも考えましょう。

◎悪化したら、数日してもよくならなかったら、やっぱり受診する

デリケートゾーンに用いる目的で売られているOTC薬には、炎症やかゆみを抑える成分、痛みを抑える成分、殺菌作用を持つ成分などが含まれています。

カンジダや他の微生物による感染症からくる症状は、原因となる感染症を治さなければよくなりません。OTC薬には、後述するカンジダ用の薬を除いて、それらの感染症に効果がある成分は含まれていません。また、中程度以上の接触皮膚炎やほかの病気も、きちんと診断を受けて最も適した薬を用いた方がよいでしょう。

・症状が悪くなった場合

使ったOTC薬が悪化の原因の可能性もあります。産婦人科を受診したときには、使った薬のことも医師に伝えましょう。

・数日使ってみてよくならなかった場合

他のOTC薬に変えても、あまり期待はできません。薬をやみくもに変えるのではなく、産婦人科を受診してくださいね。

◎薬の成分、使用方法はしっかりチェックする

デリケートゾーンに用いるためのOTC薬はいくつか出ています。同じ目的で用いるものでも、含まれている成分が少しずつ違っています。買うときに薬剤師さんに相談し、説明書は自分でもしっかり読みましょう。

・まず、効能をチェック

気になっている症状に当てはまりますか?

・成分をチェック

今までにアレルギーを起こしたことがある物質が含まれていないか、確認しましょう。

・用法をチェック

使い方も読みましょう。1日数回適量、と書かれたものが多いかもしれません。適量っていわれても、分かりませんね。ステロイド外用薬の適量とされる量は、人差し指の先端から第一関節までの量をチューブから出して大人の手のひら2枚分に塗るというものです。これを基準に考えると、デリケートゾーン全体に塗る場合なら小豆大くらいの量になります。

◎カンジダが再発したときに使えるOTC薬を知っておく

カンジダ症は、残念ながら再発しやすい病気です。免疫力が落ちたときに、症状をぶり返すことがあります。腟や外陰のカンジダ症と一度診断されたことがある場合に限り、OTC薬を使って自分で治療することが可能です。

「いつもと同じ症状が出た! でも、すぐに受診できない!」というときには、この方法(セルフメディケーション)を活用するのもアリです。これらのお薬は、薬局で薬剤師さんの説明を聞いたうえで買うことができます。もちろんこの場合も、よくならないときには産婦人科を受診してください。

《受診した後に気をつけたいこと2つ》

◎セルフケアは続けましょう

・清潔を保つ、でも洗い過ぎない

・刺激となりうるものを避ける

・指示通りに薬を使う

◎良くならないときは、もう一度受診しましょう

かゆみや痛みをおこす病気はいろいろありますが、いずれも軽症の場合は適切な治療をすればすぐに良くなっていきます。でも、カンジダのように再発を繰り返すもの、慢性化して良くなるまで時間がかかるものもあります。途中でやめずに、1〜2週間は薬を続けてみましょう。

それでも、良くならない場合もあります。刺激となる原因が取り除けていないかもしれません。あるいは、今使っている薬と違う薬の方が効く可能性、使っている薬が新たな症状の原因となっている可能性も考えられます。また、皮膚や腫瘍の専門医に診てもらった方がよいような、まれな疾患が潜んでいるのかもしれません。

いずれにしても、自己判断で治療をやめてしまってはもったいないです。もう一度受診して、医師と一緒に治療方針を再検討しましょう。

《まとめ》

デリケートゾーンのトラブルは、頻度は少なくないものの受診をためらいがちな症状のひとつです。日頃からご自分のカラダに気を配り、正しいセルフケアを習慣にすることでトラブルを回避しましょう。

また、軽微なトラブルにはセルフメディケーションも活用しましょう。でも、必要なときには迷わず産婦人科を受診してきちんと治療を受けてくださいね。

【このコラムの執筆者プロフィール】

杉山伸子さん

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本女性心身医学会認定医

日本医師会認定産業医

Mimosa代表

【ホームページ・お問い合わせ先】

https://mimosa-donna.net/

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カテゴリ:Dr.杉山伸子コラム

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本女性心身医学会認定医 日本医師会認定産業医 Mimosa代表

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