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Dr.杉山伸子コラム

Dr.杉山伸子コラム たいせつな体の話vol.4 シーズン真っ盛り。今年こそ、花粉症対策を万全に

Dr.杉山伸子

3月に入って、花粉の飛散が本格的になってきました。日本気象協会によると、今年の花粉飛散量は昨シーズンより少ないものの、例年より2週間ほど早く飛散が開始したそうです。スギ花粉のピークが過ぎ、ヒノキ花粉も飛び始めている模様です。

花粉症対策として、マスクをすることが一般的ですが、今年は新型コロナウイルスの流行に伴い、マスクの入手が非常に困難です。そこで今回は、花粉症とマスク以外の対策について解説します。少しでも快適に花粉シーズンを乗り越えていただくために。

■花粉症とは

花粉症は、花粉によって生じるアレルギー疾患です。
花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみや鼻水が出て、少し遅れてから鼻づまりが起こります。花粉が目に入ると、早くから目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。症状が強いときは、喉がかゆくなったり咳が出たりするほか、鼻づまりによる頭痛、炎症反応による微熱、だるさなどの症状も出てきます。

■原因となる花粉

日本では、これまでに50種類以上の花粉が花粉症の原因として報告されています。樹木では、代表的なスギやヒノキの他にシラカバ(シラカンバ)、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、ブナなどがあります。

草本では、カモガヤなどのイネ科の植物や、ブタクサ、ヨモギなどキク科の植物があげられます。春にはスギやヒノキ、北海道ではシラカバ、初夏にはイネ科、秋口にはキク科の植物の花粉が飛散します。


Q.初めて花粉症になったときは、風邪などと区別がつきますか


春の花粉症の時期は、風邪が流行する時期に重なります。くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状も、風邪の症状に似ています。そのため、初めて花粉症になったときは、風邪と間違えることもあります。

花粉が飛んでいる時期の症状があることを確認し、血液中に花粉に対する抗体があるか血液検査の結果をみれば診断できます。耳鼻咽喉科では、鼻の粘膜の状態を直接みて判断材料にすることがあります。

参考までに、花粉症の可能性をチェックできるチャートがあるのでご紹介します。

(引用:「的確な花粉症の治療のために」より:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf)

Q.新型コロナウイルス感染症との区別はできますか


新型コロナウイルスに感染すると、喉の痛みなどの風邪のような症状が出ます。また、無症状の場合もあります。発熱も37度台にとどまることもあり、症状で新型コロナウイルス感染症を診断するのは困難です。

今まで花粉症になったことがない方は上記のチャートに従って、まず花粉症の疑いがどの程度あるのかチェックしましょう。

「風邪の疑い」に該当する場合は、必ず休んで外出を控えてください。そのうえで、下記の項目に該当する場合には、お住まいの地域の帰国者・接触者相談センターに連絡をしてください。

・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いている。
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や妊婦、基礎疾患等のある場合は、上の状態が2日程度続く場合

ただし、現時点では、風邪のような症状があった場合、新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況です。まずはしっかり休養をとりましょう。発熱がなく、上記のチェックシートで花粉症の可能性が高いようであれば、耳鼻科やアレルギー科に相談してみましょう。

以前から花粉症だと分かっている方で、「いつもと違うな」と感じた場合にも、上記を参考にしてください。ご自分の勘を大切にしましょう。そのためにも、自分自身の体調に日ごろから敏感でいるようにしましょう。

■花粉症対策

◎日常生活編

・免疫力を維持し、鼻の粘膜を健康に保つためのポイントです。
・睡眠をしっかりとる
・バランスのとれた食事をとる
・規則正しい生活で、疲れをためない
・風邪をひかない
・お酒を控える
・タバコを吸わない
◎アレルゲン(花粉)除去編

・外出するときに、マスクを着用する(吸い込む花粉を1/3から1/6に減らしてくれる)
→不織布でできたマスクの方が花粉症対策には効果的なのですが、今はなかなか手に入りません。インナーマスクを追加すると、マスクの種類を問わず、吸い込む花粉の量がぐっと減ります。

・外出するときに、めがねを着用する(目に入る花粉を1/2から1/3に減らしてくれる)
・外出から帰ってきたら、衣服や髪をよく払ってから中に入る
・外出から帰ってきたら、うがい、洗顔をして、鼻をかむ
・洋服の服地は表面がすべすべした素材(化学繊維など)にする。表面がけばけばした毛織物などのコートは避ける
・花粉の飛散量が多い日は、外出を控えて窓や戸を閉めておく。
・洗濯物は柔軟剤を使い、室内に干す

■花粉症の治療

治療は薬物療法が中心になります。適切な治療薬を選ぶことで症状を緩和することができます。医療機関(アレルギー科、耳鼻咽喉科、眼科など)に相談してみましょう。
◎治療法いろいろ
内服薬
・抗ヒスタミン薬
即効性がある(特にくしゃみ、鼻汁)
眠気や口渇を伴うものがある
・化学伝達物質遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬
効果発現に時間がかかる(数日~2週間)眠気や口渇がない
・抗ロイコトリエン薬、抗トロンボキサン薬
効果発現に時間がかかる(数日~4週間)特に鼻づまりに効果が高い
・漢方薬
効果はマイルドだが、よく効く人もいる
・局所薬(ステロイドや血管収縮剤)
点鼻薬
点眼薬
・その他の治療方法
舌下免疫療法などの減感作療法
鼻粘膜への手術療法
Q.妊娠・授乳中でも、薬は使えますか
注意が必要ですが、使えます。

内服薬のうち、もっとも使用される頻度が高いのは抗ヒスタミン薬です。他の薬も同様ですが、ほとんどの抗ヒスタミン薬は妊娠中の影響が分かっていません。

一方、アレルギーに用いられる点鼻薬や点眼薬は、添付文書などによると、いずれの成分も母体の血液中に吸収される量が非常にわずかです。局所の治療で対応できるなら、点眼薬と点鼻薬で対応しましょう。

ただし、花粉症がひどい方は、抗ヒスタミン薬を続けた方がよい場合があります。主治医や産婦人科医と相談しましょう。また、漢方薬に変更するのも選択肢のひとつです。

基本的に、血液中から母乳に移行する薬の量は多くありません。授乳中は、妊娠中に使えた薬は継続できるとお考えください。抗ヒスタミン薬の中には、母乳への移行が少ないと報告されているものもあるので、それらの薬を選択してもよいでしょう。

☆まとめ

咳やくしゃみ、鼻づまり、…そもそも花粉症の症状はつらいものです。
「マスクがないから、大変」
「外出先で咳やくしゃみをすると、周りの視線が気になる」
今シーズンは、いつも以上につらい思いをされている方がいるようです。

日本人のおよそ4人に1人が花粉症であるといわれています。咳やくしゃみをしている人を見かけても、咳エチケットが守られていれば優しい目で見守ってあげましょう。気になるなら、自分から距離をとればよいだけのこと。

そして、花粉症でお困りの方は、いつも以上にしっかり対策をとりましょう。治療をしていなかった方も、今シーズンは試してみましょう。アレルギーの専門家によると、適切な治療を受ければ、5~6割の方が症状がほとんどない状態で過ごせるそうですよ。

【このコラムの執筆者プロフィール】
杉山伸子さん
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本女性心身医学会認定医
日本医師会認定産業医
Mimosa代表
【ホームページ・お問い合わせ先】
https://mimosa-donna.net/

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カテゴリ:Dr.杉山伸子コラム

Dr.杉山伸子
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本女性心身医学会認定医 日本医師会認定産業医 Mimosa代表

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