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Dr.杉山伸子コラム たいせつな体の話vol.3娘さんのことも、ご自分のことも!気にかけてほしい、月経(生理)に関するアレコレ

皆さんの月経(生理)に対するイメージは、どんなものでしょうか? 痛い。つらい。ブルーデイ。ネガティブなものが多いかもしれません。今回は、シンママStyle読者の皆さんに気にかけてほしい、月経に関する話題をいくつかピックアップして解説します。

■お子さんの思春期に起こりうるアレコレ

思春期は、第二次性徴が始まる時期です。8歳ごろから、乳房や陰毛の発育、月経の開始(初経)といった第二次性徴が始まります。第二次性徴は、脳にある視床下部でのゴナドトロピン放出ホルモンの分泌が増え、その刺激でエストロゲンの分泌が増えることで始まります。また、成長ホルモンなどのほかのホルモンも関係しています。

「娘の初経は早すぎる?」「まだ来ないのは遅すぎる?」

お子さんのことで、心配する方もいらっしゃるかもしれません。思春期の変化は、個人差があるということも特徴なので、かつてのご自分や周りの子どもたちと比較ばかりして悩むことはおすすめできません。「早すぎるかも?」「遅すぎるかも?」の目安をまとめましたので、こちらを参考になさってください。

■通常より2~3年早いと「思春期早発症」、二次性徴が遅いときは「性分化疾患」を考える

通常では、思春期の変化は、女の子は10歳頃、男の子は12歳頃よりはっきりします。2~3年程度早く始まってしまう場合に「思春期早発症」と診断されます。「うちの子、早すぎ?」と心配なときは、以下の点を確認してみましょう。

◎女の子の場合

・7歳6カ月より前に乳房が発育してくる

・8歳より前に陰毛が生えてくる

・10歳6カ月より前に月経(生理)が発来する

◎男の子の場合

・9歳より前に精巣が発育してくる

・10歳より前に陰毛が生えてくる

・11歳より前にひげや声変わりを認める

上記の項目のうち2つ以上に当てはまる、あるいは1つだけ当てはまるが年齢不相応に身長が伸びた、などの条件を満たせば思春期早発症と診断されます。上記の基準に当てはまりそうな場合には、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。

一方、「うちの子、遅すぎない?」と心配になったら、以下の点をチェックしてみましょう。

◎女の子の場合

・13歳になっても乳房が発育しない

・15歳になっても月経(生理)が発来しない

◎男の子の場合

・14歳になっても精巣が大きくならない

・16歳になっても声変わりしない

これらの項目に当てはまるようでしたら、性分化疾患などが原因のことがあります。思春期早発症と同様、小児科医に相談しましょう。専門の小児科医を紹介してくれます。

「月経がこんなに不規則で大丈夫?」

月経不順をきっかけに、心配したお母さんと一緒に受診されるお子さんもときどきいらっしゃいます。思春期の頃の月経は、排卵を伴わず不規則であることが多いです。あまり神経質にならず、様子を見てあげましょう。

産婦人科を受診する目安は、次のとおり。

・3カ月以上月経(生理)が来ない

・出血が2週間以上長引いて止まらない

・量が多くて大変だ

・月経痛(生理痛)がひどくてつらい

・その他、月経(生理)のことで困ったことがある

大切なのは、お子さんがこれらの悩みを大人に話してくれることです。誰にも話せずに独りで悩むことがないよう、話しやすい環境を整えたいものです。

「うわぁ、今度の旅行が月経と重なりそう!」

そう思うだけでブルーになるのは、大人だけではありません。運動会や部活の試合、大切な試験、修学旅行、プールなどに月経が重なる場合、必要に応じて月経の時期をずらすことも可能です。心配な時期の1カ月ほど前になったら、産婦人科医に相談してみましょう。

■あなたも困ってない? 月経にまつわるアレコレ

1年間で、なんと4911億円。

これは、経済産業省が平成31年に発表した、女性特有の月経随伴症状(月経に関係した症状、たとえば生理痛)などによる労働損失を試算した額です。それに対して、通院費用や痛み止めを買う費用としての社会経済的負担は半分以下、2000億円にもなりません。

「月経は痛くても、つらくてもしかたない」と我慢しないでください。労働損失だからといって、仕事だけの問題ではありません。ご自身の生活における損失も考えましょう。月経中、つらいけれど夜まで仕事。帰ってからも、家事に追われる。子どもにイライラしてあたってしまう。もし、その痛みがなければ、気分の変化がなければ、もう少し快適に過ごせないでしょうか?

月経の痛みは、我慢することなく対処しましょう。市販の鎮痛剤の効果がいまひとつだった場合には、産婦人科医に相談してください。

月経に関するトラブルは、痛み以外にもさまざまなものがあります。次に示すような症状があれば、産婦人科を受診なさってください。

・月経が2週間遅れた(妊娠したかも!?)

・月経が3か月来ない(妊娠してないのに)

・45歳前なのに、月経がもう来ない

・月経が多くて困る(期間、頻度、量)

・不正出血(セックスの時、閉経後は特に!)

・解決したい月経トラブルがある(痛みなど)

そしてもちろん、2年に1度の子宮がん検診をお忘れなく。困ったことがないうちに産婦人科デビューをしておくことをお勧めします。

■月経前症候群(PMS)なら、症状記録もおススメ

月経前にイライラする、体調が悪くなる、…このような月経前症候群(PMS)の症状でお困りの方も、少なくありません。とくに、30代以降に症状が強くなったとおっしゃる方が多いように思います。

PMSとは、「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失するもの」と定義されています。その頻度は全女性の50~80%との報告があり、多くの方が何らかの症状を自覚されているようです。

PMSの症状は多岐にわたります。精神神経症状として、情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害があります。また、自律神経症状として、のぼせ、食欲の変化、めまい、倦怠感を感じる人もいます。身体的症状として、腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹や乳房の張りなどがあります。月経痛よりも、PMSの方がつらいという方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、日常生活で実践できるPMS対策をご紹介します。まずは、さまざまな症状と月経について記録する症状記録をしてみませんか。月経がいつ始まったか、量はどのくらいか、いつ終わったか、といった月経の記録とともに、日々のつらい症状の有無や程度を記録していきます。お持ちの手帳に記録してもよいでしょうし、スマホのアプリを活用してもよいでしょう。

下記のように、記録する用紙をダウンロードできるサイトもあります。月経に関する医療情報も提供されています。

・テルモ|基礎体温でカラダと話そう…PMSノート

・生理のミカタ…PMS症状日記

また、PMSの症状を和らげるためには、日頃のセルフケアが大切です。できるものから取り入れてみましょう。

食事の工夫

ビタミンやミネラルをしっかり摂る

甘いものを控える

刺激物やアルコールを控える

適度な運動

自分に合ったリフレッシュ、リラックス法を取り入れる

アロマセラピー、好きな音楽など

ヨガ、マッサージなど

ストレス管理

ストレスを溜めない

つらい時期のスケジュールはゆとりを持って

周りの人に伝えて、理解を得る

最後の項目、とても大切です。独りで頑張り過ぎないでください。職場でも家庭でも、つらい時にはヘルプを求めましょう。

■月経は、あなたの身体のバロメータです

うっとうしいなと思いがちな月経ですが、女性の体にとって大切な仕組みです。お子さんにもそう伝えることで、月経のことを前向きにとらえられるようにしてあげましょう。ご自分も、身体のサイクルに意識を向けることで、繊細な変化に敏感になれるかもしれません。

そのうえで、月経トラブルが日々の生活の支障にならないように、セルフケアをするだけでなく、お薬や産婦人科にも頼ってくださいね。

【このコラムの執筆者プロフィール】

杉山伸子さん

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本女性心身医学会認定医

日本医師会認定産業医

Mimosa代表

【ホームページ・お問い合わせ先】

https://mimosa-donna.net/

カテゴリ:Dr.杉山伸子コラム

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本女性心身医学会認定医 日本医師会認定産業医 Mimosa代表

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