あやちゃん先生の正しい離婚相談室⑥〜離婚を迷っています

 

Q:離婚したいと思いますが、どうしても踏ん切りがつきません。

 

A:離婚を考えるとき、日ごと時間ごとに心は揺れ動きませんか? 離婚したい、でも本当にそれでいいのかな。だけどこのままじゃ……。揺れていいんです。お子さんがいらっしゃったら、決断が鈍っても仕方ありません。当然のことなんですよ。暴力等緊急性がない場合、思う存分悩みましょう。

 

離婚が珍しくなくなったいま、世間の目は昔ほど離婚した人に対して厳しくはありません。それでもシンママには大変なことがたくさん。例えば……ウルトラマンショーを見に行って子どもを肩車してあげたいけど、パパほど高い位置にならないとか、公園で家族連れを見たときのなんとも言えない思いとか。そんな些細なことから、経済的なことや子連れ恋愛の難しさとか。数えだしたらキリがありません。

 

だからこそ思いっきり悩んで欲しいのです。そして出せた結論だからこそ、仮にその先に辛いことがあっても頑張れるって思います。逆にそこまでの決断ができない間に離婚してしまうと、「どこから私の人生は狂ってしまったんだろう……」そんなふうに出口のない落ち込みに突入してしまいます。

 

離婚を推奨するわけではありませんが、離婚するなら「もっと幸せになる」ための選択でないと残念なことになってしまいます。だからこそ悩み抜いて欲しいのです。

 

離婚相談に来られた方の話を聞いていると、まだどこかでお相手に対して思いやる気持ちがあって、私は「まだ手続きはできない」と断ったことがありました。ご本人は拍子抜けみたいな感じでしたが、時間が必要だと感じたのです。

 

もう少し自分の気持ちと向き合って、「ああ、離婚しかありえない」「この隣にいる方どなた?」そこまで思えるようになった時に手続きしましょうと伝えました。

 

そこから彼女は今まで喧嘩になってしまって言えなかったこととか、自分の思いを時間かけてお相手に伝えるようにしました。自分は「こんなことが辛かった」「こうして欲しいけどどう?」「この行為がすごく傷ついた」怒り口調ではなく、冷静に伝えて夫婦間の改善を試みたのです。同時に、歩み寄れるのかどうかを、確認していったのでしょう。そうして数ヶ月後、彼女はまた私の事務所に来ました。とてもスッキリした表情で「離婚の手続きをお願いします」。その表情に曇りはありませんでした。

 

彼女は冷静になってやることを全部して、そこで迷いなく決断できたというのです。そして彼女が言った言葉は、「これでこの先の辛いことも、強い気持ちで乗り越えていけます」でした。

 

その後、小学低学年のお子さんのママである彼女は、働きながら社労士の資格を取得して、今はばりばりシンママを楽しんでいます。もちろん辛いこともあるでしょうが、「あの時の本当に考える期間があって良かった」と未だに元気な年賀状を毎年送って来てくれています。

 

またこんなケースもあります。ご主人の度重なる転職と子どもとの衝突が相まって、別居したママ。なんと別居期間は4年です。この間ほとんど会うこともなく、彼女は自分とお嬢さんとの生活に専念しました。ところがこの期間、彼女もそして旦那さんもいろいろ考えることができたのでしょう。今では周りが「仲良いね」そう言ってしまうほどのご夫婦に。

 

定年退職したご主人は、家事をして彼女をサポート。彼女は仕事しながら、趣味の絵画を仕事にできるように奮闘しています。こんな支え合う夫婦っていいな、そう誰もが羨むほどの仲です。何がこのご夫婦を、ここまで変えたのでしょうか。

 

彼女は、分からないと言います(笑)。ただ「結論出すのはすぐにできるけど、流れに身を任せることも必要なのかもしれない。この間は、とにかく相手より自分にフォーカスして、日々を楽しむこと。そうしているうちに離婚のことなんて頭から吹っ飛んだわ」と言っていました。

 

すべての人にこのパターンが当てはまるとは思いません。むしろレアなケースでしょう。ただ立ち止まって考えて欲しいことは、いったんは「この人と人生を歩んでいく」と選んだ相手。関係を壊すことは、いつでもできます。それよりもまず伝えるべきことを、感情的ではなくきちんと伝えてみること。そして「ない」ことより、いま「ある」ことを感謝してみること。相手の立場にたって考えてみること。そして……「ありがとう」をたくさん言ってみること。

 

夫婦の仲が険悪になっているときって、お互いの顔は険しいし感謝の気持ちって持てませんよね。でもちょっと待って! 「ありがとう」という言葉で、ふっと空気が柔らかくなる時もあります。些細なことでも「ありがとう」を伝えてみて。

 

そしてそこまでしてもダメなら、200% 離婚しかあり得ないって思えますよね。そしたら迷わず、新しい道に進みましょう。やることはやりきった、そう自身を持って前に進めます!

 

 

(画像/123RF)

 

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。