あやちゃん先生の正しい離婚相談室②~戸籍のこと教えてください!~

 

離婚するときって、「離婚届」を役所に出しますね。これは分かりやすいですよね。日本の戸籍ってとてもよくできていて、生まれてからずっと繋がるように、いろんな情報が戸籍に記載されているのです。

 

「婚姻届」を出すと、この人はどこの誰と結婚して新しく作った戸籍に入りましたよって、もともとの戸籍には記載されて、その戸籍からは抜けます。そして新たな戸籍には、どこどこの本籍の誰がこっちの戸籍に入りましたよって分かるようになっています。同時期に2つの戸籍にいる状態にはなりません。ちゃんと新しい戸籍に入った日と、古い戸籍から抜けた日が同時になるようになっています。

 

離婚する場合、婚姻の戸籍に入っていますが、離婚した場合にはまた新たに入る戸籍が必要ですよね。

 

戸籍にはルールがあって、同じ氏、2世代しか入れません。よく騒がれている夫婦別性の問題ではありませんが、あれは別姓同士が同じ戸籍に入れないから問題になるわけですね。

 

話をもとに戻しますね。たとえば子どものいないご夫婦が離婚するとすれば、もともとの親御さんの戸籍に戻ることもできますし、あらたに自分が筆頭者で戸籍を作ることもできます。ただしお子さんがいる場合で、お子さんと同じ戸籍にしていきたい!と思えば、3世代は入れないので、親御さんの戸籍に戻ることはできません。

 

ここでの注意点は、女性が結婚のときお相手の氏に変更した場合、離婚だと必ずもともとの姓に戻ります。ただし結婚していた時の氏をそのまま使用したい!という方もいらっしゃいますよね。その場合には離婚から3ヶ月以内に役所に「離婚の際に称していた氏を称する届」という書類を出せば、婚姻時の氏を使用することができ、この場合には婚姻時の氏で戸籍を作る形になります。

 

仮に離婚されるお相手が「名前使わないで」と言ったところで、これは感情の問題で、使いたいと思った人が書類出せば大丈夫です。お相手の許可もいりませんよ。よく「名乗るな!」って言われたのですが……と相談受けたりもしますが、ここは法的には許可も同意も必要ないので、婚姻時の氏を使うことはできます。法的にも文句言われることはありませんので、ご安心くださいね。

 

離婚する場合、必ずお子さんの親権者と監護者を決めなくてはいけません。親権者=監護者でなくても構いません。

 

親権者は未成年者が法律行為をする場合に、変わって法律行為をしたり同意したりする立場です。監護者は面倒をみる者ですね。大概は一緒に暮らす親が親権者、監護者となりますが、親権者は父親、監護者は母親ということもあります。これは双方で自由に決めてくださいね。

 

母親がこれからお子さんと一緒に暮らす予定で離婚した場合、お母さんは離婚届の提出で新しい戸籍に入ります。でもお子さんは自動的にお母さんと一緒に移動はしません。

 

まずお母さんの戸籍ができてから、お子さんをお母さんの戸籍に移動してもらう手続きをしなければなりません。これがいわゆる「子の氏の変更」手続きです。裁判所に申し立てますが、これは基本簡単にできます。ここでようやくお子さんを自分の戸籍に入れることができるわけですね。

 

お母さんが旧姓を使用するときは、お子さんの名前が一緒でないと同じ戸籍に入れないので、お子さんの氏を変更しなければなりません。

 

では婚姻時の氏をお母さんが使用する場合であっても、もともとの戸籍からは変わるので、同じく「子の氏の変更」手続きで、お母さんの戸籍に移ります。

 

どちらにしてもお子さんは自動的にはお母さんの戸籍には入りませんので、「子の氏の変更」手続きが必要ということを覚えておいてくださいね。

 

では再婚したいな……となったときはどうなるのでしょうか?

 

まずお母さんが再婚してお相手の氏を名乗る場合には、今の戸籍から抜けて、新たに婚姻する方の戸籍に入ります。戸籍にはお子さんだけが残っている状態。お子さんと一緒の戸籍にしようと思うと、方法は2つ! ひとつはお相手と養子縁組をする。これは養子縁組すれば親子関係ができるので、お子さんもお相手の名前を名乗ることになります。そして親子の関係なので、養親はお子さんを扶養する義務を負うし、お子さんは養親の相続人になったりもします。

 

ここでよく勘違いされるのですが、養子縁組しても本来のお父さんとの親子関係はなくなりません! 実親が亡くなったときには相続人になるし、養親が亡くなったときにも相続人になるというイメージです。養子縁組すると本来のお父さんとの親子関係がなくなるのは、特別養子縁組と呼ばれるもの。これは厳格な条件があるので、また別の機会にお話しますね。

 

個人的にはお母さんの再婚でお子さんを養子縁組するのは、いつでもできるのでしばらく様子みるのでもいいかも。一緒に住んで、もう大丈夫!で縁組するのでも大丈夫ですよ!

 

もうひとつは、お子さんがお母さんと名前が違って不便だからと、前述と同じように「子の氏の変更」手続きをして同じ戸籍に入れます。ただし、お相手と親子関係にはなりません。あくまでも配偶者の子どもという立場です。

 

どうしても名前を変えたくなくて、お相手が氏を変更してくださるなら、お母さんお子さんのいらっしゃる戸籍にお相手が入る形になります。

 

戸籍ってとてもよくできていますが、ちょっと複雑! お子さんがポツンと取り残されてしまうのも考えもの。納得するまで考えて、どんな戸籍になるのかイメージしてくださいね。

 

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて
実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年
司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。
法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方
が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。
頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。
法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。