あやちゃん先生の正しい離婚相談室

あやちゃん先生の正しい離婚相談室⑲こんなシンママでは…ダメです

太田垣章子

先日家賃を払わないシングルマザー。小学生低学年の女の子のママでした。強制執行にでもなったら大変と、何度も現地に行ったりしたのですが会えません。置手紙をしたり、お嬢さんと会えたときには「ママに電話頂戴って伝えておいてね」とお願いしたり、もちろん電話したりもしたのですが、結局、裁判のときまで連絡はつきませんでした。

訴訟の当日、彼女は何も反論もせずに欠席。こうなると強制執行になってしまうのです。強制執行というのは、2回に分けて行われます。1回目はまず「催告」と言って、文字通り、「いついつの何時に、この部屋の荷物等を撤去して、部屋に入れなくなりますよ。それまでに任意に転居してくださいね」といった内容の書面を室内に貼り、任意退去を執行官が促すのです。

本人が居れば本人にも直接伝えますし、居ない場合にでも鍵を開けて室内に立ち入り、目立つところに裁判所の書面を貼ります。留守宅に裁判所が立ち入ったということは一目瞭然なので、普通ならドキッとするような大事件です。

それでも彼女から連絡はありませんでした。何度もコンタクトを試みましたが、連絡はなかったのです。連絡が取れたら福祉の方に繋いだり、次の転居先を一緒に探したりもできるのですが、連絡が取れないと私たちはどうしようもありません。優しい手を差し伸べている手紙を送っていたつもりなのですが、結局ダメでした。

強制執行で完全に荷物の撤去をするという前日、彼女から連絡がありました。

「3つの仕事を掛け持ちしていて、収入も増えた。家賃+アルファ余分に滞納分を分割で支払うので、このまま住まわせてください」

前日だと、もうどうしようもありません。執行手続きも止めることはできません。どうしてもうちょっと前に連絡してくれなかったのでしょうか。

執行当日、家には誰もいませんでした。しかも片付けている様子もまったくなく、朝ご飯食べて出て行ったままといった印象です。「この先どうするのかな……」なんて思いつつ、室内から荷物はどんどん運び出されていきました。そんなときにお嬢さんが学校から帰宅。現場を見て、今にも泣きだしそうな雰囲気でした。

執行官が本人に電話をしたら、仕事しているとのこと。いやいや、こんなときに仕事している場合なんかじゃないから!ってことで、すぐに戻ってきてもらうことになりました。

このシンママ、「助けて」と言えない人なのですね。分かります。どうしていいか分からない、誰を頼っていいか分からない。自分からも助けを求められない。だからどうしようもなかったんだと思います。ただこの先しっかりお子さんを育てていこうと思うなら、これはダメです。

シンママになるとき、悩まずに決断できる人ってそういないと思います。いそんなことを総合的に考えたり、自分でもう耐えられないと思ったり、いろんな事情を考慮しながら離婚ということを選択されるのだと思うのです。そのときに絶対的に譲れないのは、「子どもから笑顔を奪わない」覚悟をして欲しいのです。

お金なくたって、子どもは死にません。国や行政の援助を受けていいのです。お母さんが笑顔でいれば、大概のことは乗り切れます。悲しいことがあれば、お子さんと一緒に泣いてもいい。ただ最後には笑って終わればいいのです。だからお願いです。離婚するときには、必ず「子どもから笑顔を奪わない」ってことを覚悟してください。

自分ができないって言っていちゃダメです。自分から「助けて」って言えなくても、手が差し伸べられたときには、とりあえずその手を握ってみてください。ダメなら放せばいいだけのこと。せっかくの手を突き放していたら、取替えしがつかないほど子どもの心を傷つけてしまうかもしれないのです。

そう思っていても、子どもを傷つけてしまうこともあるかもしれません。でもとにかく、離婚のときは腹くくって欲しいのです。

自分が傷ついても、それはちょっと我慢して、なんとか子どものことを一番に考えて欲しいのです。「何とかサポートしたい」そう思っている人は、必ずいるはずなので!

いちばんいけないことは、その状況から逃げてしまうこと。助けてだの、もうダメだだの、なんでもいいからSOSは発信していきましょう。

大変な子育て世代は、未来永劫続く訳ではありません。期間限定です。その間、周りを巻き込んだとしても、巻き込めなくても差し出された手は跳ね返さず、誰かに助けてもらいながら乗り切って欲しいと心から願います。

ひとりじゃないよ、ここにちゃんといるから。

そしてママだってひとりじゃない。貴女の横には可愛い宝がママの顔を見上げています。それを忘れないでいて欲しい。

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。

シングルマザー向けの有益な情報をメルマガ配信します(無料)
メールマガジン登録はこちら

カテゴリ:あやちゃん先生の正しい離婚相談室

太田垣章子
章司法書士事務所代表 専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。 自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。 皆さんからのご質問お待ちしております。

PREV

シングルマザーのための情報サイト、シンママStyleです。毎日忙しいシングルマザーのみなさんにお家探しから得する制度まで役立つ情報を毎日お届けします!