あやちゃん先生の正しい離婚相談室⑯離婚したいと相談したら、不動産が問題だと言われました

 

Q:離婚したいと相談したら、不動産が問題だと言われました。これってどういうこと?

 

A:離婚するときに注意していただきたいのは、実はおっしゃる通り不動産なんです。

婚姻期間中よく共有名義で不動産を購入するのですが、これが諸悪の根源。離婚を考えたときに、この持ち分をどうするかってなる訳です。方法は

 

①売却してしまって、余ったお金は折半する

②どちらかがその不動産を取得するようにし、名義を移す

住宅ローンは取得した方が払っていく

 

大雑把にはこの2通りではないでしょうか。ところが①は、非常に難しいのです。購入時新築マンションだと、値下がり率が高く、しかも住宅ローンも元利均等で購入していると、最初の10年なんて金利ばかり払っていて元本はほとんど減っていません。そうなると売買代金で、住宅ローンを完済することはほぼできません。足らずのキャッシュがなければ、不動産の売却ができないのです。

こうなると売れないから、賃貸に出して賃料から住宅ローンを返済することも考えられますが、名義をどうしていくかという問題が残ります。

 

②も難しいですよね。名義を移す名目は、財産分与だったり贈与ですが、仮に移せたとしても(税金面がクリアしたとしても)、ローンの支払いができるかどうかが問題になります。一般的に共有で不動産を購入するということは、双方の収入で住宅ローンを組んでいくことも多く、なかなか単体では返済できないローン額が一般的です。

 

まして仮に住宅ローンはご主人が債務者で、ご主人だけが返済するとなっていたとしても、その住宅ローンの連帯保証人に奥さんがなっているということが多々あります。皆さん、ちゃんと契約書を見てくださいね。意外と気が付いていないのです。

連帯保証人は、債務者が払わなければ、有無を言わさず支払いを強要されます。一緒に生活していたら「払っているな」と確認できますが、別々に暮らすようになれば、いちいち監視もしていられません。まして別れた人の何十年(ローン完済までの)を、何らかの形で関わるってそれはストレスですよね。

そのため連帯保証人になっている場合には、離婚時には100%外してもらわないと、怖くておちおち夜も寝てられませんよ。この場合は、他行で借り換えてもらうしかありません。それかご主人のご実家を担保に入れて、連帯保証人を外してもらうかという壮大な計画になってしまいます。

 

とにかく離婚時に不動産がある場合には、予めこの不動産をどうするか、早期に専門家に相談することをお勧めします。

 

これ賃貸でも同じことですよ。たとえば子どもたちの生活環境を変えたくないと、お母さんとお子さんは今まで通りの家に住む。賃料をご主人が「養育費がわり」に払っていくと約束したとしましょう。女性は家賃さえ払ってくれれば生活費だけを稼げばいいことになり、安心するかもしれません。

でも待てよ!です。

そもそも離婚しようと考える、不誠実なお相手なのです。別れた後、賃料をきちんと払ってくれる保証なんてどこにもありません。大概はあっという間に払わなくなり、家賃滞納でお母さんもお子さんも追い出されてしまうということになってしまうのです。

離婚しようと思った相手を、絶対に信じてはいけません。自分の身は自分で守らなければ、大切な子どもたちを路頭に迷わすことになってしまいます。

とにかく相手の「たら・れば」ではなくて、全部自分で把握できる状態にしましょうね。

 

所有物件に話を戻しましょう。

もし結婚して20年以上経っている夫婦が離婚しようと思ったら、離婚前には夫婦間贈与の税金控除が受けられます。共持ち分が2000万円の価値よりも低ければ、贈与税がかからず名義を移すことができます。住宅ローンの心配がなければ、名義を移して税金の負担がどうか、そこを予め税理士の先生に確認しましょうね。年数や不動産の価値によっても変わってきますので、ここはプロに指示仰ぐのが一番です。

 

また不動産の名義を移すのには、登録免許税等の税金と司法書士の手数料がかかってしまいます。その辺りも予め確認して、予算組をしていきましょうね。

住宅ローンの方は金銭消費貸借契約書を見れば、自分が債務者なのか、連帯保証人なのかも分かります。また住宅ローンを貸してくれている金融機関に、ローン残高も確認しておきましょう。売るならいくらがラインなのか、住宅ローンの観点から把握することもできます。

 

不動産購入時、親から頭金の支援を受けた人は、そこもきちんと清算できるようにしましょうね。いくら出してもらったのか、それをどう回収するのか、可視化することがポイントです。

不動産は離婚には結構な足かせになる可能性があります。お持ちの方は、早めにプロに相談しましょうね。

 

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。

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