あやちゃん先生の正しい離婚相談室⑮~実家との関係がよくありません

 

Q:離婚するに当たって実家に戻ろうと思うのですが、どうも親との関係がうまくいかない気がします

 

A:離婚しようと悩んでいるときって、やっぱりいちばん心配なのが経済的なこと。お相手の養育費は、支払われたらラッキーくらいに考えていた方が安全です。そこを当てにして計画を立ててしまうと、支払われない、即、慌てなきゃいけないことになるというリスクがあります。

 

いちばん怖いのが、養育費の代わりに家賃を払ってもらうというもの。これは絶対に避けなければなりません。少なくとも私が関わった中では、途中で支払われなくなったという悪夢のオンパレードでした。

そうなると住居も、自分で背負った方が絶対に安全。でも家賃を払っていくことなんて、できるかしら……。

そこで選択肢の中に入ってくるのが、ご実家に戻るということでしょう。

 

実家であれば家賃はいらないし、子どもだって淋しくない。家事だって手伝ってもらえるかも……。

でもちょっと待ってください。実家が良いとは言えません。もともと親子関係が良かったとしても、離婚して戻った後、しっくりいかないこともあるのです。

 

原因はたくさんあります。ただいちばん大きいのは「子育ての世代間ギャップ」でしょう。

平成に入って、経済も人との付き合い方も、子どもを取り巻く環境も、激変したと言っても過言ではありません。この状況の中で3世代が一緒に生活するのは、なかなか難しいものがあるのです。

 

娘は「出戻ってきたから、我慢しないといけない」と思い、親世代は「なんとか孫を守らないと」なんて力が入ってしまうと、お家は心身ともに休める巣であるはずがストレスの温床となってしまいます。

体制を整えるために一時的に実家を頼ることはオッケー。でもある一定の期間が過ぎたら、自分で自立できるように予め心しておいた方がスムースかもしれませんね。

 

とは言え、実家を頼らざるを得ない時もありますね。そんな時は、事前にきっちり親子間で話し合いをしましょう。そこで伝えるポイントは

 

・離婚はするけど子どもは自分の手で一生懸命に育てて行きたいと思っている

・頼りないと思うかもしれないが私が親なので、そこは尊重して欲しい

・子ども(孫)に対する対応は統一したいので、私の意見に合わせて欲しい

・子どもには私や元夫の悪口を絶対に言わないで欲しい

・子どもが何か言ってきた時は、聞いてやって欲しい。「ママには内緒ね」と言ってもこっそり教えて欲しい

 

お世話になる(実家に戻る)んだから、こんなこと言えないと思うなら、同居はしちゃダメ(笑)。ちゃんと言わなきゃいけないことを言えないと、先のストレスの温床になってしまいます。

離婚した後は、そこまで張り詰めていた心がふっと緩んで、ちょっとしたことで涙してしまうこともあるもの。そんな時にお家が「言いたいこと言える環境」でない限り、余計に追い詰められてしまう。

 

世代間ギャップもあるんです。親世代からしたら、母子家庭にして孫がかわいそうと思うかもしれない。でも今は3組に1組が離婚してしまう時代。かわいそうと思われる孫の方が、かわいそうなんです。親が離婚したって、愛情たっぷり注いであげたら子どもはかわいそうなんかじゃない。かわいそうだなんて思う環境が、かわいそうなんです(笑)。

 

子どもはね、母親が笑ってさえいれば幸せなんですよ。そこは絶対に覚えておいてくださいね。

 

ある親子が実家に戻って、とても苦しい思いをした例をお話ししますね。

もともと彼女は女姉妹で、姉がいるのですが、姉夫婦には子どもがいない。そんな環境の中、男の子を産んで戻ってきた訳です。もちろん姉夫婦は同居はしていないけれど、とても密接な関係。そうなると大人5人に、子どもがひとり。初めての子ども、初めての男の子が可愛い過ぎて、大人たちは理性を失っていきました。

 

もちろん子どもにとって、母親はスペシャル。当たり前のことなのに、他の4人(特に両親と姉)は、必死に自分がいちばんになりたがった。もう、子どもの取り合いです。

離婚した子どもの母親を非難し、経済力を盾に子どものご機嫌をとろうとする。

こんな環境で、子どもが健全に育つ訳はないですね。子どもだって、誰の言うことを聞いていいのか分からなくなる。そして子どもは上手に大人を使い分けるようになっていったんです。

 

極端な話と思われるかもしれませんが、大なり小なり、実家に戻るとこういうことがよくあります。だから最初にきちんと実家の親と話し合って、子どもに対するルールを構築できるご家族なら大丈夫。でもそうでないなら一時的な避難所か、時々遊びに行く場所と考えていた方が、いい時もある。そこを踏まえて、選択の参考にしてくださいね。

 

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。