あやちゃん先生の正しい離婚相談室⑫~離婚の際に養育費のことってどうしたらいいですか?

 

Q:離婚の際に養育費のことってどうしたらいいですか?

 

A:離婚の際には、養育費のことは絶対にちゃんと話し合っておきましょう。もちろんDVなどで緊急避難等が必要な場合には、それどころではないと思います。ただ話し合える環境であれば、必ずしっかりと話し合った方が良いですね。

 

とかく「父親だから払ってくれるはず」と考えてしまったり、お金のことを話すのにはストレスもかかるので、詳細な金額を話し合うのは避けてしまいがち。でも話し合える環境にいるふたりの場合、絶対にここは避けてはダメよ。

 

女性でも収入に心配のない人はまだいいのですが、そうでない人が大半かも。子どもは思っている以上にお金がかかってしまいます。だから絶対に「払ってね」というスタンスは変えてはダメです。そのためにもしっかりここは話し合いましょう。

 

まずお子さんの年齢から、これからどれだけかかるのか。中学入学や高校入学時には、まとまったお金がかかります。修学旅行だって、かなりの出費。先輩ママから具体的にどんな費用がかかるのかリサーチして、話し合いは具体的にしていきましょうね。

 

いちばんダメなのが、たとえば「養育費がわりに家賃払う、住宅ローン払う」「養育費がわりに学資保険払う」等々。残念ながらこれって、支払が滞ることが圧倒的! こんな危ない賭けをしては、生活の根底からくつがえされてしまいます。

 

最悪養育費が払われなくても、とりあえず生きてはいける!その環境は、自分が整えると腹をくくってくださいね。その上でプラスになる養育費をいただきましょう。

 

すべての男性という訳ではないと思いますが、とかく離れて生活する親は「養育費」を甘く考えがち。一緒に生活できない親ができる愛情表現のひとつなのですが、女性ほど母性もないかもしれませんね。日に日に自分が父親だということの実感が薄れていってしまうのかもしれません。

 

だからこそ! 貴方は父親ですよ、とアピールすることも必要ですね。たとえば養育費払ってもらったら、「ありがとう。〇〇にもパパがちゃんと払ってくれたこと伝えておくね」とか「ありがとう。これで靴買ってあげるね。もう〇センチになったんだよ」とか。ここは腕の見せ所。もちろん「もう関わりたくない」と思うシンママもいるかもしれません。でも養育費を一回でも多く払ってもらうためにも、がんばりましょう。

 

環境が許すなら、義父母を巻き込むのもいいですね。よく「義父母に養育費を払ってもらいたい」というシンママがいますが、こちらから請求するのは残念ながらちょっと難しい。ならば義父母に息子がちゃんと支払うよう監視してもらうとか、節目で何か自発的に払ってもらえるように、こちらもシンママの工夫が光りますよ。

 

たとえば「〇〇さんが父親として、養育費を払ってきてくれます。ありがたいです。娘もこんなに大きくなりました」と写真を送っておくとか、「私たちは離婚を選択しましたが、子どもはふたりで責任を持って育てていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします」そう宣言しておくこともいいかもしれません。

 

離婚の渦中にいるときは、二度と関わりたくないとか思ってしまいがち。でも時間が経てば「いっそ死んでくれたらいいのに」くらいに思っていたお相手のことも(私はそう思いました!)、○○の大切な父親であることは間違いないので幸せでいてくれたらいいなあ~と思える日も必ず来ます。だから可能な環境なら、義父母ときちんとしておくことは、たとえそれが演技であったとしても有益なことだと思います。直接関わりたくない、と思うなら絵葉書でもいいと思いますよ(手紙はたくさん書かないといけないからね)。

 

とりあえず「貴方の息子は、この○○の父親であることをお忘れなくね」と、できるだ認識してもらうことで養育費の支払い率もアップするのですから、ここは女優になりましょう!

 

養育費の金額や支払等がふたりの間で話し合えたら、できたらその内容を公正証書にしておきましょう。公正証書には「執行認諾約款」をつければ、支払いが滞ったときに給与の差し押さえ等の強制執行をすることができます。実際に強制執行をするかどうかは別として、ただの話し合いのままとか私文書での取り決めよりも、「ちゃんと支払わねば!」という意識を持ってもらえるはず。

 

公正証書で作成するときは、できれば弁護士か司法書士に内容を精査してもらいましょう。決まった内容を伝えれば、さらにの法的武装もしてくれるはず。気がつかなかった新たなアドバイスもしてもらえれば、きっと心強いでしょう。あとは公証役場で調印するだけ。裁判で「支払え」という判決と同等の効力を持つので、ぜひ公正証書で養育費の取り決めをしてくださいね。

 

「もういい……」。

そう思う気持ちも分かります。でも子育ては長いレース。少しでも確実に払ってもらえるよう、工夫してしっかり払ってもらいましょう。そしてもっと大事なのは、そのお金を当てにせず、自分で育てていく覚悟もすること。子どものためにも自分のためにも、がんばりましょうね。

 

プロフィール

太田垣 章子(おおたがき あやこ)さん
章司法書士事務所代表 http://www.ohtagaki.jp

専業主婦で子どもを出産直後に離婚を決意。生後6ヶ月の子どもをつれて実家に出戻り。そこから働きながら子育てしながら勉強して、平成13年、司法書士試験に合格。苦節6年、極貧生活での受験時代でした。
自身の経験から、離婚相談もたくさん受けています。法的な部分だけではなく、心に寄り添ったサポートを心がけ、依頼者の方が元気に前を向いてくれるよう日々がんばっています。頼られるとがんばっちゃうタイプ。どんどんご質問くださいね。法的なことに限らず、何でも大丈夫ですよ。
皆さんからのご質問お待ちしております。