実録/元夫が亡くなった時、元妻として母親として揺れ動く気持ち

 

みなさん、元夫が急に病気で亡くなるといった事態を想像したことはありますか。

 

日頃から連絡を取っていたり元夫の親族とも関わりがある場合は、お子さんを連れて病院へお見舞いや葬儀参列など自然にできることかと思います。

 

面会交流はしているけれど直接連絡を取っていない、顔を合わせていない、全く連絡を取っていないといった場合には悩ましいですよね。お子さんのためにはどのような応対をするのがよいのでしょう。

 

今回は、面会交流の支援活動をしているなかで実際起きた、あるご家庭のケースをご紹介します。

 

■体調が急転

 

面会交流の付き添いサポートをしている別居親のお父さんがご病気のため亡くなられました。まさにその日は面会交流予定日でした。

ここ最近、体調不良で心配していたのですが、まさかこんなに急に…という状況で病状は急転でした。

 

面会交流予定日の2日前にお父さんご本人から、「公園で遊ぶのは難しく病院で面会交流したい。」と連絡が。病院に確認すると病状はよくないとのこと。

 

状況を伝えると突然のことで当然困惑されるお母さん。私が病院へお子さんを連れて行くことも提案したのですが、お母さんは病院に直接連絡し状況を把握した上、翌日(面会交流前日)にお子さんを連れて自ら病院へ。

 

係争が続き試行面会期間が長かったこともあり、付き添いサポートが必要なほど高葛藤で直接顔を合わせることも連絡を取り合うことも到底困難なおふたりだったのですが、直接病院へ出向き、数年ぶりに親同士として対面し、お子さんとお父さんが話せるように会話の架け橋を担い、親子・親同士でたくさん会話ができたとのこと。

 

「また、明日もお見舞いに来るね」と約束して。

 

その翌日、面会交流予定日は私も病院へ行ったのですが、お子さんとたくさん話せて安心されたのか、お子さんとお母さん、そしてお父さん側のご親族の方に見守れながら、その日に息を引き取られました。

 

 

■子どもの気持ちを受け止めきれるか悩む母親

 

お母さんはお子さんを病院へ連れて行くことを悩まれていました。子どもが受けるショックを受け止めきれるのかと。

 

ただ、子どもが実の父親が亡くなったことをきちんと理解した時に、後悔させてはいけないという思いで、子どもの不安を全部受け止める覚悟で、亡くなる前日、当日、お通夜、告別式すべてお子さんを連れて行かれました。そして、お子さんの前で気丈に振る舞われていました。

 

お父さん側のご親族の方々も丁重な対応を取られていらっしゃいました。

 

■元妻としての本音

 

告別式の時にお母さんはおっしゃっていたこと。

 

「ごめんねって最初に言ってくれて争わないでくれていたら、別れるつもりなんてなかったのに・・・」と。

 

心底憎んでいたわけではなく、係争中にどんどん気持ちがかけ違って悪化してしまったと。

お父さん側も同じ思いだったように伺えます。

 

そして、元気でいることを前提でいたけれど、こんなことになるのであればもっと父子の交流をするべきだったと。

 

お母さんはこう語ります。

「なんでもっと早く、体調が悪いことを言ってくれなかったんだろう」と。

この問いに対して、お父さんはきっと、「元気になるから大丈夫!」という気持ちと、「体調が悪いことを伝えたら、子どもと会うことを治るまで延期されてしまうのではないか」という不安が混在していたのかもしれません。

 

■まとめ

 

実の父親、母親は子どもにとってたった一人。

いくら夫婦がこじれたとしても、子どもと親の縁を勝手に片親が切ることはあってはならないことです。

 

元夫と一切連絡をとらないと、万が一亡くなっていてもわかりません。仮にわかったとしても、子どもに伝えないでいると、子どもは父親との別れが曖昧なまま育つことになります。

 

そのようなことのないように、夫婦の感情と親子関係は切り離すことの大切さ、そして、離婚しても親としての関係は続くのですから最低限でも連絡が取れる関係であること、関係を悪化させないために争わないことの大切です。

 

これからもお父さんは亡くなられても、お子さんにとっての大切なお父さんであることは変わりません。あらためましてご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

<執筆者>

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント しばはし聡子

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談や講演・執筆活動中。

*りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/

*別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」

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