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【インタビュー】離婚後も子どもの行事は元夫婦で参加ー子どもの環境を変えないために親ができること

 

みなさん、離婚後の子育てに元夫は関わっていますか。二度と関わりたくないと思っている方もいれば、しっかり協力体制を整えている方もいるかもしれません。

 

今回は、子どもの行事に元夫とともに参加しているというママに直撃インタビューしました。

 

■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。

 

元夫は2駅隣に住んでいるので、元夫が子どもと会いたいときに会える、私自身は仕事や用事があり子どもをお願いしたいときにお願いする、というスタンスで月に1~4回程度、父子で過ごしています。子どもの夏休みには元夫側の祖父母宅へ息子が数日お泊りに行かせてもらうこともありました。

 

また、学校行事は都合がつく限りで元夫と一緒に参加しています。今後は保護者会も分担しながら出席の予定です。一つだけ暗黙の了解となっているのは、「お互いの家の中には入らない」ということ。取り決めをしたわけではないのですが、私としては離婚のけじめであり、元夫婦としての距離感を保つため、そして子どもに対して過度な期待(パパとママの復縁)を持たせない、という考えからそうしており、元夫も同じ距離感でいてくれています。

 

■共同養育に前むきになれた経緯について

 

婚姻中に離婚カウンセラー資格取得の勉強をしていた中で、「親が離婚しても面会交流や養育費の受け取りは子どもの権利である」という教えを受けていましたので、頭の中では子どもと私は別の存在、パパとの交流は子どもの権利、と理解していました。が、いざ離婚が成立してみると、「やっと離婚したのにこれ以上関わりたくない…」という気持ちもあり、今後どうやって元夫と交流をしていこうかと後ろ向きなところもありました。

 

そんな中、離婚して半月後に私がインフルエンザに罹患し、治ったところに今度は子どもが腕を骨折し、と、自分の感情とは裏腹に元夫のマンパワーに頼らざるを得ない事態が続き…。気まずい思いを抱えながらも当時の子どもの保育園のお迎えや食事の面倒、通院補助など元夫に助けてもらいました。そんな思いがけないアクシデントがきっかけとなり、元夫と連絡を取ることが普通のこととなりました。

 

しかしながら、元夫と子どもと私の3人で食事へ行くまでには離婚後半年近くかかり、それまでは共同養育ではなく完全にお互いの担当を切り離した並行養育であったと思います。離婚後の並行養育、そして共同養育と徐々にシフトしていった経緯としては、元夫からの歩み寄りが大きかったと感じています。

 

■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。

 

世間では共同養育の認知がまだ少なく、「離婚したのに元夫と交流があるなんて…」と言葉には出されずとも思われているような場面があったり、「そういうやり取りができるのであれば復縁したらいいのに」「離婚しなければよかったのに」と言われることも少なからずあり、そこが困っている点です。

 

また、共同養育イコール離婚推進のようなとらえ方をされるケースもあるので、誤解を与えないようこちら側の発信の仕方にも気を付けていかなくてはと思っています。しなくて済むのであれば離婚はしない方がいい派です。

 

■やってよかったという思いをお聞かせください。

 

離婚後1年ほど経った頃に子どもから「パパとママが離婚しても何も変わらない」と言われた際は嬉しかったです。子どもにとって会いたい時にパパと会える、生活基盤があまり変わらない、ということは、とても大きなことであるのだと実感しました。

 

うちはもともと元夫が仕事人間であまり家にいなく子どもは生まれた時から母子生活に慣れていたということもあり、うまくシフトできた部分がありますが、子どもの人生や生活を変えないためにと結構な負担が私自身ありましたので、子どものその一言に救われました。

 

■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。

 

うちは幸い離婚後に元夫との関係性が改善しまして、今では元夫はこちらを気にかけて色々フォローをしてくれるので、これ以上に望むということはないのですが、しいてあげれば、子どもにとってはたった一人のパパですから、健康で長生きしてほしいと思っています。

 

■共同養育はどんなメリットがありますか。子どもはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。

 

子どもにとってのメリットは、パパの存在が変わらずあるという安心感でしょうか。時折、自分には家が二つあると自慢気に言っています(笑)。今後、母親である私と子どもがぶつかることもあると思いますので、そんな時の逃げ場としてもパパにはいてもらえたらと思っています。

 

私にとってのメリットは、子どもとの生活や進学時など困った時の相談先として頼れる存在があること。先日も母子のやりとりで煮詰まった際に元夫へヘルプを出したところ、父子の時間を作ってもらい、子どもへのフォローと同時に私一人の時間もつくってもらえました。そういう面で精神的に助かっています。

 

■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。

 

「感謝の気持ちを言葉でちゃんと伝える」「つらいときや困ったときは助けを求める」「子どもの前でパパのマイナスなことは言わない」ということを心がけています。子どもの父母という関係であると共に、縁があり人生を共にした相手ですので、特別な存在であることに変わりはないと最近思えるようになりました。

 

また、頼るばかりでなく、元夫が困っているときには力になれるよう、私自身もパワーをつけていかなくてはと思っています。

 

■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。

 

田畑に例えて言えば、離婚後1年目は荒れ果てた土を耕していった再生の年、そして2年目は種まきと年とし、これからのライフワークの充実に向けて色んな種をまいていきたいと思っています。

 

前述した通り、離婚はしなくて済むならしない方がいい派。でも、それでも離婚となった時に共同養育という選択肢を親が知っているかどうかで子どもの人生が変わります。将来的には離婚するかどうかと悩むママたち、離婚協議中のママたち、離婚後のママたちへのサポートを通じて、その先にいる子どもたちへ勇気づけをしていきたいなと思っています。

 

そして、親の離婚によって傷つき悲しむ子どもたちをひとりでも少なくすることが目標です。まずはその活動の一つとして、子育て情報サイトでのコラム連載を始めています。

 

また、自分のキャリアも大切ですが、それ以上にわが子と一緒に過ごせる今しかない時間も大切ですので、子どもの自立に向けてできる限りのサポートを元夫と一緒にやっていきたいと思っています。

 

 

<執筆者>

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント しばはし聡子

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談や講演・執筆活動中。http://www.rimusubi.com/