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逃げる?向き合う?子連れ離婚の相談で気をつけること 〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム

シンママStyle編集部

 

離婚が頭をよぎる時、あなたはまず誰に相談しますか。友人や親、またはネットで調べて専門家を探すかもしれません。

 

理由はそれぞれ。離婚を決めたわけではなく迷っている時こそ話を聞いてもらいたい、相談に乗ってもらいたいといったことも多いのではないでしょうか。しかしながら、その時受けたアドバイスに後押しされて、あなたの人生だけではなく子どもの人生も一変してしまう可能性もあります。

 

どんなアドバイスに気をつけるべきか、またアドバイスを上手に生かすために、自分自身が知っておくべきこととは、どのようなことでしょうか。

 

◾️モラハラは夫婦間での相対評価

 

浮気や借金、暴力など原因が目に見えやすいものもありますが、精神的に追い詰められているいわゆるモラハラと言われるたぐいのものは、目に見えにくく比較もしづらい、そして人になかなか理解してもらいづらいことでもありますね。

 

・夫の暴言に耐えられない。

・高圧的な態度でなにを言っても話し合いにならない。

・違う意見を言うと見下すように取り合ってくれない。

・家事や育児を手伝ってくれない。

・ありがとうの一言も言ってくれない。

・生活費を最低限しか渡してくれない。

 

など、モラハラの度合いも感じ方も夫婦それぞれ。妻が精神的に強いタイプであれば、ちょっとした暴言くらい言い返すこともできますが、そうではない場合は言い返せず謝るしかないという状況にも。絶対的な評価基準がなく、いわば夫婦間における相対評価ともいえ、周囲に理解してもらいにくいケースもあります。

 

◆モラハラ=すぐに離婚?!

 

離婚を迷って相談する先で思い浮かぶのは、友人、親、兄弟姉妹、行政相談窓口、民間のカウンセラー、弁護士などでしょうか。それぞれ親身になって聞いてくれますが、ここで気をつけたいのが、すぐに別居や離婚へ誘導するアドバイス。

 

「モラハラは立派なDVよ」「早く子どもを連れて逃げなさい」「早く弁護士に依頼して離婚した方がいい」「子どもを会わせない方がいい」

 

迷っていて相談に行っただけなのに、夫は重度なDVであるとされ、別居や離婚の後押しをされて、気がついたら離婚の道をたどっていたというケースも少なくありません。

 

身体的な暴力などすぐに避難しなくてはならない場合は緊急性を伴いますが、全ての夫婦がすぐに逃げて離婚をするということに該当するのでしょうか。

 

◾️子どもがいる場合は慎重に

 

精神的なダメージが強い場合は、別居をするなどの対応が必要なこともあります。そして、夫に別居したいと伝えても反対されるし話し合いすらすることができないため、夫に気づかれないようにある日突然家を出るという方法に至るケースもあるでしょう。

 

ただ、ここで考えなくてはいけないのが、子どものこと。子どもにとっては、突然引越しや転校転園を余儀なく迫られ、さらには急に父親と引き離されてしまう状況に陥ってしまいます。もしも、「離婚しても会わせる必要はない」「早く離婚して新しいお父さんを見つけた方がいい」といったアドバイスを受けたとしたら、子どもはどんな気持ちでいるのか、もし自分が子どもの立場だったらどのように感じるのか、一度立ち止まって考えるようにしてみてください。

 

◾️ずっと逃げ続ける人生って…

 

なかには、「居場所を知らせずに保護してくれる施設があるから、子どもを連れて逃げてその間に離婚の手続きを進めるように」「弁護士にすべて任せれば表に出なくて大丈夫」といったアドバイスを受けることも。

 

アドバイスのとおり子どもを連れて家を出る。一時的にはそれで済むかもしれません。ただ、夫からずっと逃げる人生を送ることが本当に夫から解放されたことになるのでしょうか。居場所が見つからないように住所を伏せ、子どもを父親に会わせず、ひとり親家庭支援や生活保護などの経済的支援を受けながら、ひとりで育てていくことが本当にゴールなのか、先のことを想像してみてください。そして、違った視点でアドバイスをくれる人に相談してみることもひとつです。

 

仮に離婚をできたとしても、ずっと夫から追われているようで、悪いことをしているわけでもないのに隠れながら生きていかなくてはならないことは、夫と離れても結局精神的なダメージは続くことになりかねません。

 

◆逃げるだけではなく向き合うきっかけを

 

一時的に逃げたり守られたりしても、いつかは自立しなくてはなりません。別居や離婚をしても、子どもがいるかぎりは親同士の関係は続きます。逃げ続けるだけではなく、今後のことや子どものことにきちんと正対し向き合うことに意識を向けてみることもひとつです。

 

直接話すことが困難な場合は、弁護士を頼る手段もひとつですがが、子どものことを念頭に入れた策を練ってくれる弁護士を選ぶことが子どものために大切です。また、調停や裁判といった司法の場では、争いになってしまう傾向にあるため、気持ちの面での仲介をしてくれるカウンセラーや、専門家を仲介にして協議ができるADRという方法を利用するのもひとつです。

 

◾️夫婦と親子は別物

 

たとえ、二度と関わりたくない夫でも、子どもにとっては唯一無二の父親。子どもの体の半分は父親でできているのですから、父親を肯定し好きでいながら成長していくことは子どもの自己肯定感の醸成につながります。

 

子どもに対して危害を加える父親ではないのであれば、子どもから父親を奪うことは、愛する子どもを自ら苦しめてしまうことになりかねません。

 

父親は、母親を追い詰めるような言動は控え、安心して子どもを会わせられると母親が思えるような関係を築くなど、今まで母親側が苦しんでいたことに対して真摯に向き合い改善する努力が必須です。

 

そして、母親は、離婚しても父子関係は継続するということを知り、親同士として夫と関わることの心構えを持つようにしていくことも大事です。

 

◾️さいごに

 

離婚で悩んで辛くて苦しい時に、守ってくれたり逃げられるようなアドバイスを受けると、ついその方向に進んでしまいたくなるものです。ただ、子どもがいる以上は、逃げ続けることが本当に正しいのか、子どもと父親を引き離すことの影響などについて、自分自身で判断できるように、離婚家庭における子どものきもちや親の心得を知っておくことが大事です。

 

そのうえで、さまざまなアドバイスを上手に生かし、修復しても別居しても離婚しても、あなたも子どもも今後の人生が豊かになるように選択していけるとよいですね。

 

<執筆者>

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント しばはし聡子

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談や講演・執筆活動中。http://www.rimusubi.com/

 

 

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カテゴリ:しばはし聡子コラム

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