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強行別居はアリ?!夏休みに子連れで家を出ようとしているママへ〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム〜
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夫と暮らすのはもう無理!夫との同居生活に耐えに耐えかね、いつどうやって別居をしようかと頭を悩ませているママや、夏休みは引越しの絶好の機会だと別居を決行しようとしているママ。または既に別居を始めているママもいるかもしれません。
ところで、別居のことをお子さんにきちんと話していますか。母親にとっては無事引越しが済めばまずは一安心ではありますが、子どもの気持ちは?
■強行別居を決行する妻のきもち
夫といくら話し合いをしようとしても、いつも高圧的に言い返されたり怒鳴られたり、まったく意見を聞いてもらえない。そんな日が続くと次第に話し合っても無駄だと会話もしたくなくなるもの。そのような状態が続き、夫と一緒に生活するのは精神的にもう限界!別居が頭をよぎり出すことも。
夫に事前に別居したいと言ったとしても、どうぜ反対されるだけで気持ちをわかってくれるはずもない。行政の窓口などに相談をすると別居をした方がいいと後押しされ、夫が留守の間に子どもを連れて別居を強行するケースも少なくありません。
今の生活環境を捨ててまで別居したいほど切羽詰っていて、逃げなくてはという思いが強くなっているのでしょう。
■子どものきもちは?
夫に引っ越すことを知られないために、子どもに事情を一切伝えず、突然引っ越しに連れていくようなケースもありますが、突然引越しをすることになる子どもはどのような思いをするのでしょうか。
◆夏休みに引っ越すのは子どものため?!
いつ別居しよう…。ふと思いつくのは長期休暇。夏休みであれば、転校や転園手続きにも時間的余裕があり、子どもにとっても心機一転しやすいだろうと、子どものことを思って夏休みに別居を始めることもありますが、子どもにとっては突然の出来事。引越しについてきたとしても、本心で同意しているとは限りません。
◆突然、生活環境が変わってしまう子どもたち
事前になにも知らされないまま突然の引越しをする場合、子どもは友達に挨拶もできないままお別れすることになり、余儀なく転校させられて生活環境が一変します。また、学校だけではなく習い事などすべて突然取り上げられてしまうのです。
そしてなにより、突然父親と離れ離れに。物理的な環境が変わるどころか精神的にもダメージははかりしれません。
◆子どもにきちんと話していますか
「まだ、小さいから説明しなくても大丈夫。いずれ大きくなったら伝える。子どもは私と同じ思いでいるから大丈夫。」
もし、そう思いながら別居を始めているのであれば、必ず子どもの心と向き合う時間をつくってください。
母親に逆らうことができず、言うことを聞くことしかできない、ないしは母親が悲しむ姿を見たくない、怒られたくないから母親と同じ思いでいると演じているかもしれません。
子どもはどんなに小さくても空気を読み、本心を口に出せないまま小さな胸をひとりで痛めています。つらいときに一番相談したい存在である母親が一番相談できない存在になってしまっているのです。
別居をするのであれば、子どもがわかるように事情を事前に説明し、子どもの思いを何度も聞いてあげることこそが母親の役割となります。
◆子どもの負担を最低限にするために
子どもにも事前に話した上で別居を選択した後、子どもと父親の関係はどのようにするのがよいのでしょう。
子どもは突然友達と会えなくなるだけではなく、父親とも離れてしまい、会いたくても会いたいと言えなくなっているとしたら、どんなに辛い思いをしていることでしょう。同居中に仲の良かった父子であればなおのこと。
生活環境や友達関係が変わり、ただでさえ不安でいる子どもがこれ以上不安にならないためにも、父親と変わらず会い続けられる環境を整えてあげることが大切ですね。
■きちんと話し合いの場を
夫から逃げるように別居すると、関わりたくないがゆえに、弁護士に一任して一切話し合いに応じないという気持ちになりがちですが、子どもがいる以上、別居しても離婚しても親同士の関係は続きます。
これからどのように子育てをしていくのか、親同士どのように関わっていくのかをきちんと話す場をつくることが大切です。
調停など司法の場では、書面のやりとりだけで気持ちのやりとりは難しく時間も要するため関係がさらに悪化しがち。両者で直接話し合いが難しい場合は、専門家を仲介にして話し合いを行うADR(裁判外紛争解決手続き)という方法もあります。
夫側は話し合いがしやすいように妻の気持ちを聞く努力をすること、そして妻側は夫婦問題と親子関係は切り分けていくように努力していくことが大切ですね。
■さいごに
夫婦関係が悪化して、別居や離婚をすることはやむを得ないことです。ただ、一緒に暮らすことができなくなるのはあくまで親の都合、子どもには関係ありません。
子どもが理解できるようにきちんと説明をして、生活環境が変わることへの不安を取り除いてあげること、そして、父親とは変わらず会える環境を整えてあげることが、子連れ別居するにあたっての親の心構えとして大切ですね。
<執筆者>
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント しばはし聡子
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談や講演・執筆活動中。http://www.rimusubi.com/
カテゴリ:しばはし聡子コラム
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