
離婚後子供の学費を払わない夫との問題解決方法とは?
離婚をするときに、毎月の養育費に加えて進学にあたって必要なお金は話し合いのもと夫も支払う約束をしていたのに、子供が大学に進学するときに元夫が学費の支払いを拒否した場合はどうなるのでしょう。
タグ: 学費, 離婚
たとえ離婚をしても夫婦間で話し合えば、元夫に子供の学費を払ってもらうことができます。親として離婚をしても「子供には不自由させたくない」「大学には行かせてあげたい」とはごく当たり前のことです。しかし、中には子供の学費を支払うと言って離婚したにも関わらず、支払おうとしないケースがあります。
離婚をするときに、毎月の養育費に加えて進学にあたって必要なお金は話し合いのもと夫も支払う約束をしていたのに、子供が大学に進学するときに元夫が学費の支払いを拒否した場合はどうなるのでしょう。
離婚をしてシングルマザーで子供を育てているケースのお話をします。
■元夫にきちんと支払ってもらうために調停をしよう
支払いを拒否している元夫と自分たちだけで話し合いをしていても、なかなか話はまとまりません。そんなときは、養育費請求の申し立てをしましょう。
このときに重要なものが、離婚の時に取り決めた内容を記した公正証書です。離婚するときに養育費や学費について取り決めた内容を証明する書類があれば、調停をしたときにあなたに有利に話が進むでしょう。
調停は自分で行うと大変なので、弁護士にお願いすればスムーズにやりとりができるようになり、あなたが不利になることもありません。調停を申し立てて無事に成立すれば、元夫に子供の大学の入学金や学費を払ってもらうことができます。
■元夫に学費を請求するために重要なポイント
なかなか子供の学費を支払わない元夫に請求するときに大事なポイントは次の2つです。
- 子供が20歳になるまでに請求しよう
- 協議離婚の際の公正証書があれば有利!
夫婦間の協議や調停で合意できていれば問題はありません。しかし、夫婦間で話がまとまらない場合は裁判所に判決を下してもらう必要があります。一般的に子供が成人すると親に扶養義務は無くなるので、裁判所が支払いを命じることができるのは子供が20歳になるまでです。
また協議離婚をするときに作成した公正証書に「子供の学費の負担」について明確に記しておけば、あとから元夫が子供の学費を払ってくれず調停をすることになってしまってもスムーズに話が進みます。調停の時に公正証書に沿って話が進められるので、あなたに有利になるでしょう。
■離婚時子供の学費について取り決めていない場合
中には離婚の時に養育費を子供が20歳になるまで支払うことは取り決めていても、学費のことまで言及できていないケースもあります。この場合子供の学費は諦めないといけないのでしょうか。
結論からいうと、離婚の時に子供の学費について話し合っていなかったとしても、元夫に学費を請求することができます。しかし、それは夫婦間で合意ができた場合のみです。元夫との間で大学費用について合意できなければ、大学費用を新たに請求するのは難しいでしょう。
養育費は事情の変更により支払い金額を変更してもらうことはできます。しかし、大学進学は離婚の時に想定できたことと考えられるので、「想定できたことを取り決めなかった」つまり「夫は払わないことになった」となってしまうのです。
したがって、離婚をする際は養育費に加えて、大学の学費を負担することまで明確に取り決めなければいけません。まだ子供が小さい時に離婚する場合そこまで考えられないかもしれませんが、子供が大学や専門学校、留学などに行けるように夫婦間できちんと話し合いをしておきましょう。
■離婚をした元夫にも子供の学費を支払ってもらうためにできること
離婚をしても元夫に教育費をきちんと負担してもらい、子供の将来の可能性を広げてあげるには夫婦間で連携をすることが大切です。たとえ離婚をしても父親と母親には変わらないので、子供のことは一緒に考えていけるのが理想です。
- 定期的に面会交流を実施する
- 逐一進路の相談をする
男性は子供と一緒に過ごさなくなると父親としての自覚が薄まり、子供に養育費や学費を支払う意欲がなくなってしまう人がいます。これはあってはならないことですが、支払いがストップしないように定期的に面会交流をして子供の教育・進路の相談をすることも、支払いが滞らないようにするための手段です。
☆まとめ☆
シングルマザーで養育費を受け取っているのは全体の20%と言われています。それだけ離婚後も養育費を支払う男性は少ないのです。ということは、大学の学費まで支払う男性はもっと少ないでしょう。
離婚をしても元夫に子供の学費を支払ってもらうために、離婚時に公正証書を作成し、子供の学費についても取り決めておくことが大切です。
(文/あやん 画像/123RF)